約数の総和を素因数分解から求める公式は?

以前の記事の「素因数分解を使った約数の個数の求め方は?0乗が攻略の鍵?」では素因数分解を使って約数の個数を求めました。

もし素因数分解を使って約数の個数が出せなければ「素因数分解を使った約数の個数の求め方は?0乗が攻略の鍵?」を見直してみてくださいね。

約数の個数が出せるようになったら次は約数の総和の求め方をしていきます。

約数の総和ってなに?

今回は素因数分解を使った約数の総和の求め方をしていきます。
約数の総和っていうのは、ある数の全ての約数の合計のことを言います。
約数を全て書き出すのはそんなに難しくないので、すべて約数を書き出して足してしまえば求められます。
言ってしまえばなんてことはありません。

しかし、数が小さいうちはまだそれでもいいのですが、数字が大きくなるとすごく手間がかかってしまうようになります。
その結果、計算の間違えが多くなりやすく、試験時間内に求めるのも難しくなってしまいます。

そこで紹介したいのが素因数分解を使った約数の総和の求め方です。

素因数分解を使って約数の総和を求めよう!

約数の総和を求める問題は高校数学ではよく出てきます。
親切な問題だと一旦約数の個数を求めさせて、その次の問題で約数の総和を求めさせる感じでしょうか。

約数を全て書き出して、それらを足す約数の総和の求め方はイメージしやすいと思いますので、約数を全て書き出すやり方を見た後に、素因数分解を使った約数の総和の求め方をみていきます。

まずは約数を全て書き出してから約数の総和を求めていきます。

<例題>
次の数の約数の総和を求めよ。
① \(3\)
② \(12\)

それでは解いてみましょう。


まずは約数をすべて書き出す作業からです。
\(3\)の約数をすべて上げると\(1,3\)となります。
約数の総和というのは約数のすべてを足せばいいので、
$$1+3=4$$
となり、答えは\(4\)になります。


こちらもまずは約数をすべて書き出します。
12の約数は\(1,2,3,4,6,12\)となります。
これらすべてを足せばよいので\(1+2+3+4+6+12=28\)となります。

見てのとおりですが、約数の総和を求めることそのものが難しいということはありませんね。
これらの問題のように元の数字が小さいと楽にできるのですが、もとの数字が大きくなり約数の個数が増えてくると約数をすべて書き出すのも大変です。
さらにそれらすべてを足すとなるとあまりしたい計算ではありませんよね。
計算ミスも増えますし・・・

それでは、これを素因数分解を用いて解いてみましょう。
先ほどの例題の12を用いて約数の総和を求めてみます。

説明するためにちょっと回りくどい式で解きますね。
\(12\)を素因数分解すると\(12=2^2\times 3\)となります。
それでは\(12\)の約数を足してみましょう。
$$2^0\cdot 3^0+2^0\cdot3^1+2^1\cdot 3^0+2^1\cdot 3^1+2^2\cdot 3^0+2^2\cdot3^1$$
これで\(12\)の全ての約数が書き出せましたね。

それでは、そのまま計算すると素因数分解を使った意味がないので、この式を因数分解してみます。
$$=2^0(3^0+3^1)+2^1(3^0+3^1)+2^2(3^0+3^1)$$
まずは\(2\)に着目してくくってみました。
すると\( (3^0+3^1)\)が共通因数になりました。
共通因数でくくると、
$$=(2^0+2^1+2^2)(3^0+3^1)$$
となりました。

括弧の中から計算すると、
$$=(1+2+4)(1+3)$$
$$=7\cdot 4$$
$$=28$$

求められましたが\(12\)くらいだといまいちメリットが感じられませんね。
もう少し数字を大きくしてみましょう!

1080の約数の総和

<例題>
次の数の約数の総和を求めよ。
③\(1080\)

随分大きな数字になりました。
まずは素因数分解をしてみましょう。

$$1080=2^3+3^3+5$$

問題にはありませんが、せっかくなので約数の個数も求めてみますね。
$$(3+1)(3+1)(1+1)$$
$$=4\cdot 4\cdot 2$$
$$=32$$

約数の個数が出ました。
\(1080\)の約数は\(32\)個あるということです。
次に約数の総和を求めてみますが全て書き出して足そうとすると\(32\)個の数字をすべて書き出し足さないといけません。
できなくない数ですが、数学らしくないのでここでは素因数分解を使った式からいきます。

約数の総和は
$$2^0\cdot 3^0\cdot 5^0+2^0\cdot 3^0\cdot 5^1+\cdots +2^3\cdot 3^3\cdot 5^1$$
こんな感じになりますね。

因数分解をしてみると、
$$=(2^0+2^1+2^2+2^3)(3^0+3^1+3^2+3^3)(5^0+5^1)$$
となります。

括弧の中から計算しますよ。
$$=(1+2+4+8)(1+3+9+27)(1+5)$$
$$=15\cdot 40\cdot 6$$
$$=3600$$
となります。

素因数分解を利用しているのですが、毎回こんな計算をするのは大変ですね。
\(12\)の約数の総和を求める式は、
$$(2^0+2^1+2^2)(3^0+3^1)$$
\(1080\)の約数の総和を求める式は、
$$(2^0+2^1+2^2+2^3)(3^0+3^1+3^2+3^3)(5^0+5^1)$$

なんだか規則性があるようです。

約数の総和を求める公式!

約数の総和を求める公式です。

\(a^x\cdot b^y\cdot c^z\)と素因数分解できたときその数の約数の総和は
$$(a^0+a^1+\cdots +a^x)(b^0+b^1+\cdots +b^y)(c^0+c^1+\cdots +c^z)$$
となります。

例題の②,③では式を上の公式で立てずに全ての約数を書き出す形でたてて因数分解をして上の公式の形にもっていっていますが、勿論いきなり上の公式の形にもっていってOKですよ。

先ほどの例題③を初めから上の公式のとおりに解いてみますね。
次の数の約数の総和を求めよ。
③\(1080\)
\(1080=2^3\cdot 3^3\cdot 5\)
つまり\(1080\)の約数の総和は、
\( (2^0+2^1+2^2+2^3)(3^0+3^1+3^2+3^3)(5^0+5^1)\)
\(=(1+2+4+8)(1+3+9+27)(1+5)\)
\(=15\cdot 40\cdot 6\)
\(=3600\)

約数の総和を簡単に求めることができました。
こんな感じで大丈夫です。

いくつか練習問題をしてみましょう。

<練習問題>

次の数の約数の個数と総和を求めましょう。
①\(210\)
②\(720\)
③\(2245\)

\(210\)の約数の個数と総和を求める

\(210\)を素因数分解します。
\(210=2\cdot 3\cdot 5\cdot 7\)となります。
約数の個数は、\(2^4=16\)となるので16個
約数の総和は
\( (2^0+2^1)(3^0+3^1)(5^0+5^1)(7^0+7^1)\)
\( (1+2)(1+3)(1+5)(1+7)\)
\( =3\cdot 4\cdot 6\cdot 8\)
\( =576\)

\(720\)の約数の個数と総和を求める

\(720\)を素因数分解します。
\(720=2^4\cdot 3^2\cdot 5^1\)
約数の個数は\(5\cdot 3\cdot 2=30\)となるので30個
約数の総和は
\( (2^0+2^1+2^2+2^3+2^4)(3^0+3^1+3^2)(5^0+5^1)\)
\( =(1+2+4+8+16)(1+3+9)(1+5)\)
\( =31\cdot 13\cdot 6\)
\( =2418\)

2250の約数の個数と総和を求める

\(2250\)を素因数分解します。
\(2250=2^1\cdot 3^2\cdot 5^3\)
約数の個数は\(2\cdot 3\cdot 4=24\)となるので24個
約数の総和は
\( (2^0+2^1)(3^0+3^1+3^2)(5^0+5^1+5^2+5^3)\)
\(=(1+2)(1+3+9)(1+5+25+125)\)
\(=3\cdot 13\cdot156\)
\(=6084\)

まとめ

今回は素因数分解を使って約数の総和を求めてみました。

公式といえば公式になるのですが、その公式になる過程を少し理解しておくといいですね。
公式の過程が分かると約数の個数を求めるのも当たり前に分かるようになります。

今回は素因数分解を使って約数を全てあらわしたものを因数分解して公式の形にもっていきました。
公式を展開して素因数分解を使って約数を全て書き出した形にすることもできるといいですね。

約数の個数が分かりにくいという場合はこの記事をみてみてくださいね。

https://mocomoko.com/626.html

単純な約数の総和ではなく、約数のうち偶数の総和や約数のうち12の倍数の総和など約数の総和でも条件が付いた問題は下の記事をみてみてください。

https://mocomoko.com/642.html

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