素因数分解ができるようになったらいよいよ素因数分解の利用です。
中学生だと素因数分解を習ったあとに「できるだけ小さい自然数を掛けてその結果をある自然数の平方にする問題」が良く出ます。
なんとなく2乗になっていない数字を掛けちゃえばいいいのかな?なんて適当にしているとちょっとひねられたら厳しくなってしまいます。
高校入試で出題されたときは是非点数を取りたい問題の1つです。
中間考査や期末考査などの定期考査でもよく出る問題なのできちんと理解しておきましょう。
平方数って何?
素因数分解がよくわからないときは上の記事から読んでみてくださいね。
素因数分解の仕方について書いています。
さて、今回は素因数分解を使って平方数を作っていきます。
まずは平方って分かりますか?
平方っていうのは2乗って意味です。
面積の単位で\(cm^2\)を平方センチメートルって読みますよね?
意味的には\(cm\)の2乗って意味です。
つまり平方とは2乗を意味します。
平方数というのは\(3^2\)や\(12^2\)のように何かしらの数字を2回かけたものです。
それでは素因数分解を使って平方数を作ってみましょう。
素因数分解を使った平方数の作り方
<例題>
①\(126\)を素因数分解しなさい。
②\(126\)にできるだけ小さな自然数を掛けて、その結果をある自然数の2乗にするとき、どんな数を掛ければよいですか。
またその結果はどんな数の2乗になりますか。
①から順番にみていきましょう。
\(126\)を素因数分解します。
すると、\(126=2\times 3^2\times 7\)となります。
ここがきちんとできないときは、素因数分解の復習をもう1度しておきましょう。
①ができたら②にいきます。
②は①で求めた\(126\)の素因数分解をもとに解いていきます。
①で求めた素因数分解した式は\(126=2\times 3^2\times 7\)でした。
\(2\times 3^2\times 7\)にできるだけ小さな自然を掛けて何かの平方にすればいいということです。
\(2\times 3^2\times 7\)を見てみると3は2回掛けてありますが、2と7に関しては1回ずつしか掛けてありません。
素数の因数が2つずつ掛けてある状態にすればいいので、\(2\times 3^2\times 7\)に2と7を掛けてあげれば全てが2乗ずつになります。
\(2\times 3^2\times 7\times 2\times 7\)
\(=2^2\times 3^2\times 7^2\)
\(=(2\times 3\times 7)^2\)
括弧内を整理して、
\(=42^2\)
となります。
つまり②の答えは掛ける数は\(14\)で、掛けた結果は\(42\)の2乗になります。
次は同じ平方数をつくる問題でも、何かしらの数字を掛ける問題ではなく割る問題をやってみましょう。
<例題>
③\(735\)を出来るだけ小さい自然数で割って、その結果をある自然数の平方にするとき、どんな数で割ればよいですか。
またその結果はどんな数の平方になりますか。
適当に割っていくと大変なことになってしまいますのでまずは素因数分解をしましょう。
素因数分解をすると、
\(735=7^2\times 3\times 5\)
となります。
これを何かしらの自然数で割ってその結果が自然数の平方になればいいので、1回しか掛けていない3と5で割ればいい、つまり15で割ればいいことになります。
\( (7^2\times 3\times 5)\div 15 \)
\(=7^2\)
よって735を出来るだけ小さい自然数で割って、その結果をある自然数の平方にするには15で割ればよく、その結果は7の2乗ということになります。
まとめ
今回は素因数分解を用いた平方数の作り方でした。
素因数分解ができないと話がはじまらないのでまずは素因数分解をマスターしてくださいね。
正確に素因数分解ができればあとは2乗になっていない数を掛けるか割るかすれば平方数にすることが出来ます。
\(2^3\times 3^2\)のような形の場合は2個ずつの組が作れれば平方数がつくれるので、\(2^2\times 2\times 3^2\)という形とみれば2を掛けるか割るかすれば平方数にすることが出来ます。
もう少し大きな見方をすれば偶数乗[1]2乗や4乗のように偶数回掛けることにすれば良いとみて何を掛けるのか、割るのか考えればOKですよ。
References
↑1 | 2乗や4乗のように偶数回掛けること |
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