現在アメリカに住んでいますが、近くの州立大学には日本から留学生たちが専門分野を勉強するために留学してきています。
一度、日本で社会人を経験してから「この分野の専門になりたい」と、強い思いを持って留学してきている人たちもいます。
留学生の中には、親からの学費、生活費の援助は無く、日本にいたときに留学するために働いて貯金して渡米してきた人もいます。
単位取得で忙しいけれど学校の合間にアルバイトでも出来れば、と思っていても「就労できるビザ」がないと仕事で賃金を得られないので、日々節約生活を送っていると話していました。
そう言えば、「留学生でも大学内でできるアルバイトはあるんですよ!」と言っていた留学生がいたことを思い出しました。
今日は「留学先でアルバイトってしても大丈夫?」というテーマでお話します。
留学中に留学先でアルバイトはできる?
日本で一度社会人を経験してから留学している方であれば、仕事の進め方や報連相などの仕事に対する基礎知識もあるため、留学しながらアルバイトが可能であれば、責任を持って仕事に取り組むことができるのではないかと思います。
では、海外で留学をしながらアルバイト(仕事)をしても大丈夫なのでしょうか?
まず、最初に抑えておかないといけない点が2つあります。
- その国で就労するには、労働のためのビザの条件がある
- 不法就労をしていることが分かると、日本へ強制的に帰国させられて、将来その国への入国制限がある場合がある
ということです。
「学生ビザだけど、別にバレなきゃいいか」という軽い気持ちでアルバイトをして、もし就労不可であることが見つかってしまうと、せっかくの留学生活もそこで断たれてしまう恐れがあるということをしっかり認識しておく必要があります。
留学先として「アメリカ」「カナダ」「オーストラリア」を例にして、留学先でもアルバイトが出来るかどうかを調べてみました。[1]※就労の条件、ビザの条件は随時変更、更新されることがありますので、各国の移民局HPを必ず再度チェックしてください。
アメリカ留学で留学中に現地でアルバイトはできる?
・大学生であれば大学のキャンパス内なら学生ビザで週20時間以内であればアルバイトが可能
アルバイトの種類としては、売店や図書館など。
参考に近くの州立大学HPを見たところ学内のjob listというところに掲載されていました。
・教授の補助としてTA(チューター)、RA(研究補助)のポジションとしてアルバイト可能
日本人留学生で教授のリサーチアシスタントをしている人がいますが、自分の勉強したい分野を詳しく知る事ができる上に、経済的な支援も受けられるメリットがあるとのことです。
また、レジデンスアシスタントをしている学生もいます。
仕事内容は「学生寮の管理」ですが、自分自身が寮費免除、半額免除になったりするメリットがあるようです。
・OPT(Optional Practical Training)を申請してインターンとして企業でアルバイト可能
・学生ビザを持っていても、語学学校では学校がアルバイトを禁止していることもあるため確認が必要
アメリカは州によって最低賃金が異なりますが、時給は約7~9ドル[2]2018年現在700~900円のようです。
・U.S. Citizenship and Immigration Services
カナダ留学は現地でアルバイトできる?
・語学留学生はアルバイト出来ないOPT
学生ビザを保持しフルタイムで留学していても語学学校で英語やフランス語を学ぶ人は対象外となります。
・観光ビザで6カ月未満の語学留学ではアルバイト出来ない
・高校、大学、大学院のフルタイム正規留学生であれば、学校外にて週20時間以内でアルバイトが可能、夏休みなど長期休暇は週40時間以内のフルタイムで働くことができる
指定教育機関在学などの条件付きとなるため、カナダ政府の最新情報を必ず確認してください。
・Co-opプログラム[3]学生ビザと就労ビザが必要対象の専門学校であれば、有給インターン、無給インターンシップが学校のプログラムに含まれているため参加できる
・ワーキングホリデービザ[4]申請時に18歳~30歳対象は1年間カナダで就労可能
私の友人は、26歳で日本での仕事を退職して27歳のときにワーキングホリデービザを取得してカナダへ行き、地元のスーパーマーケットで約1年間働いていました。
友人がワーキングホリデー後に日本に帰国して後悔していたのは、
「せっかく現地で働く経験をしたのに、ワーキングホリデー前に将来の仕事に関しての情報収集を全くしていなかった」ということです。
結局、日本に帰国してから仕事を探すことになり留学によって約3年間のブランクを作ってしまっていました。
せっかく現地で就労のチャンスがあるのであれば、将来の自分の就きたい仕事や興味のある分野など、計画的な仕事探しがポイントなのかも知れません。
最低賃金は約10~11カナダドル[5]2018年現在850~950円のようです。
・Canada Immigration and citizenship
オーストラリア留学では留学期でアルバイトできる?
・語学留学生でもアルバイト可能である
・ワーキングホリデービザであれば同一雇用主のもとで6カ月までと制限はあるものの、就労時間に制限はない
・学生ビザを保持する留学生は2週間40時間以内で就労可能である
オーストラリアはワーキングホリデーに限らず学生ビザでもアルバイトができるため、「節約して留学したい」という人たちにとっては、留学先の候補の国となるようです。
最低時給は約17ドル[6]2018年現在で約1500円と高めですが、留学生を対象にした時給調査によると、実際は最低賃金を下回っているケースもあるようです。
また、日本人留学生の約半数が、日本語のウェブサイトで仕事を見つけており、その主な就業先は「日本語を使う環境の職場」、例えば、和食レストランなどであるという結果が出ています。
私の経験から言えることは、海外で働くことのメリットのひとつとして「ネイティブと一緒に働くことで得られる国際感覚」が挙げられると感じています。
日本語環境での仕事を否定するわけではありませんが、日本語環境の中で日本人と一緒に働くということは、ネイティブとの接点が少なくなるひとつの要素ではないかと思います。
・Australia Immigration and citizenship
まとめ
海外留学をしながら、少しでも留学費、生活費を稼ぎたいと「何かできる仕事はないか」と考えて、学内でのアルバイトに応募している学生さんたちが多くいます。
しかし、ここ最近、外国人の就労に関しての取り締まりが厳しくなってきていると聞きました。
学内でも「就労に関しての注意喚起」という通達が出たようです。
その国によって、労働に関する法律や条件などは変更があるため、必ずご自身で政府HPもしくは移民局HPで確認してください。
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