「昨日、彼女の実家に結婚の挨拶に行ってきました。」と、ある日の朝、会社の後輩君が興奮気味に話していました。
「で、で、どうなったの???」
職場のお局である私も興奮冷めやらぬ様子になっていました。
結婚の承諾を得られた、とのことで部署のみんなで大喜びした思い出があります。
彼は笑いながらこう言っていました。
「いやー緊張しましたよ。行きの新幹線の中で『〇〇さんを僕にください!』のセリフ練習を50回はしましたよ。」
職場のお局である私は思わず、「『僕にください、ください!』って、意味は分かるけど彼女は物じゃないんだから、他に言い方なかったわけ???」と言ってしまいました。
今回は、一世一代の緊張の瞬間、「彼女の家に結婚の挨拶に行く時のマナー」についてお話します。
目次
彼女のご両親に結婚のご挨拶に行く時に気を付けたいマナー
第一印象を大切に!
心理学では第一印象は、その人をパッと見た瞬間から6秒で決まると言われています。
目から入る印象[1]いわゆる身だしなみと表情が55%、耳から入る印象[2]いわゆる声、話し方が38%、
「その人の人柄」よりも、目と耳から入る情報が第一印象の93%を占めるのです。
最初に受けた印象、第一印象がその後の人間関係においても、ずっと相手の中に残るとことを「初頭効果」と言います。
玄関での1番最初の挨拶は、ハキハキと笑顔で「はじめまして。〇〇△△と申します。」とさわやかな挨拶を心がけましょう。
人として重要な「5つ」の基本でさらに印象アップ!
「社会のマナー」とも言います。
挨拶、正しい敬語が使えるかといった言葉遣い、身だしなみ、人の話を聞く姿勢や時間を守れるかといった態度、下座や上座を意識した席順の5つは必ず守りましょう。
この5つができていれば、良好な人間関係を築くきっかけになります。
相手のご両親のことは「〇〇さんのお父様」「〇〇さんのお母様」と呼びます。
ご両親から「もっと気さくに『おとうさん、おかあさん』って、呼んでいいよ」と言われない限りは常に礼儀正しく上記の呼び方を守った方がいいです。
いい印象を与えるための身だしなみを心がける
「身だしなみ」と「おしゃれ」は別物です。
「身だしなみ」は相手のために、「おしゃれ」は自分のためにすることが大きな目的の違いになります。
一般的にどのような「身だしなみ」が相手によい印象を与えるのか、ということで参考までにご紹介します。
髪型
清潔感を出すため、おでこを出すと知的な印象になります。
もみあげはスッキリと整えます。
服装
スーツではなくてもジャケットは必ず羽織る服装にします。
ジャケットの色は「紺色、ネイビーカラー」だと、黒パンツ、グレーパンツ、チノパンにも合わせやすくなります。
靴
汚れがないのはもちろんのこと、革靴であればきちんと磨いておきます。
踵がすり減っていないかもチェックします。
靴下
家の中に上がるため、靴下に穴が空いていないか、薄くなっている箇所がないかチェックします。
爪
手土産を渡す、お茶をいただく際に手、爪は見られています。
きちんと切りそろえておきます。
シャツ
白色のシャツは誠実さを相手に伝えることができます。
シワで見た目がだらしなくならないようにアイロンがかかったものが理想です。
ご両親に挨拶に行く時の手土産は何がいい?予算はいくら?
予算は1000円~5000円と幅広い調査結果がありますが、中を取って3000円くらい、という男性が最も多いと聞きます。
熨斗については、「挨拶のお手土産」という位置づけなので、熨斗なしでかまいません。
せんべいは「割れる」という意味
実は、おせんべいは「割れる」という意味があり、お祝いの席には手土産としては相応しくないという意見もあります。
彼女のお母様が、「おせんべいが大好きで、大好きで仕方ない、おせんべいが食べたい」というときは持参してもよいとは思いますが、必ず、おせんべい以外のみんなで食べられるような手土産も持参します。
バームクーヘンは「長寿」「年月を重ねる」という意味
結婚式の引き出物にバームクーヘンが入っていることがありますが、バームクーヘンは結婚の席において縁起がいい食べ物です。
重ねられたバームクーヘンの年輪は、「長寿」「いつまでも仲良く、末永く一緒に年月を重ねる」というおめでたい意味があります。
生菓子は大丈夫?
ケーキや和菓子は、消費期限がその日限りになってしまうため、ご両親のお歳を考慮すると日持ちのするお菓子の方が、後日も食べることができるため、消費期限の長めのお菓子が無難です。
また、切り分けたりしなければいけない手土産はお母様のお手間を取らせてしまうので、食べやすくすでにカットしてあるもの、個別包装されたものが好ましいです。
彼女の家の近くのお店で買ってもいい?
彼女の家の近くのお店の手土産は「間に合わせ」だと思われてしまうためNGです。
訪問すると分かっているのに、「何の計画性もない。行き当たりばったり」という印象を与えてしまいかねません。
遠方から訪問する場合は何がいい?
例えば飛行機に乗って、新幹線で長時間の移動など遠方から訪問する際には、「地元の名産」を持参するのもひとつのアイデアです。
ただし、地元の名産においては、好き嫌いがあるので事前に彼女にご両親の食べ物の好みを聞いておくことをおすすめします。
また地酒などアルコール類を手土産にする際にも、ご両親のお歳になると健康のためにアルコールを控えたり、断ったりされる方もいらっしゃるため、こちらの情報も彼女に事前に確認しておきます。
・恋人のご両親に挨拶に行くときに気を付けたいマナー
会話のタブーは?
日本のマナーとしては、会話のタブーとされているのが、「政治」「宗教」に関するネタです。
個人的な意見や思想があるため、相手から振られない限りは自分からは切り出さないのがマナーとされています。
政治など難しく、よくわからないと思ったときは、「さあ~??」と首をかしげて笑って誤魔化さないで「勉強不足で申し訳ありません。次回までにはしっかりと勉強しておきます。内容について教えていただけませんか?」と前向きな答え方をします。
ずばり「結婚させてください」の挨拶は?
冒頭にもお話ししましたが「お嬢さんを私にください!」の挨拶はドラマティック、情熱的で悪くはないとは思いますが、ご両親にとっては永遠に可愛い娘です。
「必ず幸せな家庭を築きますので、〇〇さんとの結婚をお許しください。」と具体的な言い方の方がご両親も受け入れやすいのではないかと思います。
家に帰ってからの「もう一仕事」が重要?
挨拶から帰宅した際には、お礼を兼ねて無事に到着した旨の報告の電話を入れます。
彼女の自宅を出る際に、帰宅時間が遅くなることが分かっていれば「帰宅するのが深夜近くになります。夜遅くにご連絡してご迷惑をおかけするといけませんので、到着した旨は明日させていただいてもよろしいでしょうか?」と、必ず、ご連絡を入れる意志があることを伝えます。
翌日、連絡を入れる際には午前11時を目途に電話をするようにします。
また、電話プラス「お礼状」を出すとさらによい印象になります。
季節の花柄の絵葉書に、おもてなしのお礼を一筆書いて投函するとよいでしょう。
大事なのは、訪問した翌日には投函することです。
スピードのある「ひと仕事」でご両親の心をキャッチします。
まとめ
緊張の一日になることは間違いないです。
それは相手のご両親も理解されていることです。
今回、お話した第一印象からお礼状までの内容は難しいことは何一つありません。
大事なことは、きちんと誠意が伝わるような第一印象、マナー、気遣いを相手に伝えることが出来ているか、ということです。
自分ではできているつもりでも、相手が「できていない」と判断したらそれは酷な言い方ですが「できていない」のです。
末永いお二人の幸せの第一歩のお手伝いになりますよう応援しています。