高校入試の数学で最も確実に点を取りたいのは大問1。
易しい計算問題がたくさん出題されるためなるべく多くの得点を稼いでおきたいところです。
特に単純な計算問題や因数分解は確実に解けるようにしておきたいですよね。
今回は、その中でも因数分解の解き方について書いていきます。
高校入試の大問1の因数分解は美味しい?
高校入試の大問1では計算問題を中心に点数が簡単に取れる問いの宝庫です。
きちんと勉強していればたいていの問題はきちんと解けるはずです。
(解けない場合はきちんと解けるように練習しましょう。)
ただ計算するだけの問題や単純な因数分解だけで解けてしまう問題が多く出ます。
ある程度数学ができる子だとほとんどできると思うのですが、やはりちょくちょく間違ってしまうことがあります。
計算だけ因数分解だけ問題は少ししか出ないのでもったいない!
因数分解の中学で習う公式は?
因数分解の公式といえば、
$$x^2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)$$
$$x^2+2ax+a^2=(x+a)^2$$
$$x^2-2ax+a^2=(x-a)^2$$
$$x^2-a^2=(x+a)(x-a)$$
こんな公式を思い浮かべると思います。
でも、これだけで考えると意外と因数分解できなかったり、間違えたりします。
因数分解の問題では解けるというだけなく正確性も大事です。
なんとなく因数分解をしていると間違いが増えるのでしっかりやり方を覚えましょう!
因数分解を解く中学生のためのコツとは?
因数分解の問題を解くときに数学が苦手な子ほどいきなり公式を使おうとする傾向があります
始めから公式を使ってはダメなんですね。
因数分解を解くときに1番初めにすることは何でしょうか。
1番初めにするのは共通因数でくくる!なんですね。
これを忘れると簡単な因数分解もダメになっちゃいます。
なぜ1番初めに共通因数でくくることが大事なのかを見ていきます。
<例題>
因数分解をしよう。
①\(2x^2+20x+42\)
②\(2x^2-2\)
①\(2x^2+20x+42\)からみていきましょう。
いきなり公式を使おうとすると…
できませんよね。
ここで、因数分解できないとなって終わってしまうことが多いですね。
初めにすることは…
共通因数でくくる!でしたよね。
これは必ず意識してください。
それでは共通因数でくくります。
\(2(x^2+10x+21)\)
こんな形になりました。
1度因数分解ができるとすぐ答えだと書いちゃう子がいますが、これはまだ答えではありません。
これ以上因数分解できない!というところまでしないとだめです。
\(x^2+10x+21\)はまだ因数分解できるので、ここを因数分解して、
\(2(x+3)(x+7)\)となります。
1段階因数分解できたからって焦って答えを書いちゃだめですよ。
\(x^2\)があったらまだ因数分解できるかもと疑ってください。
中学生の場合はほとんどの場合さらに因数分解することできます。
\(x^2\)が入っている式が答えに登場するのは因数分解を習い始めて共通因数でくくることを覚えた時くらいでしょうか。
こんな問題のときですね。
<例題>
次の式を因数分解しなさい。
③\(3x^2+21x+3\)
これを解いてみると、
③\(3x^2+21x+3\)
\(=3(x^2+7x+1)\)
となって、かけて\(1\)、たして\(7\)になる\(2\)数はないので、答えは\(=3(x^2+7x+1)\)となります。
ここで因数分解が終わることは少ないので、受験だと\(x^2\)があればもう1回因数分解できると思っているくらいがちょうどいいと思います。
②を因数分解してみます。
②\(2x^2-2\)
因数分解で1番初めにするのは共通因数でくくることでしたよね。
\(2(x^2-1)\)
ここでやめちゃだめですよ。
\(x^2\)があるときはもう1回因数分解できるか必ず確認しましょう。
今回はさらに因数分解できるので・・・
\(2(x+1)(x-1)\)となります。
途中でやめてはだめです。
この問題でもう少し注意して欲しいのが、直に公式で因数分解してもいけちゃうということです。
公式の\(x^2-a^2=(x+a)(x-a)\)をみてみると\((2乗)-(2乗)\)になっていれば因数分解できるってことですね。
②\(2x^2-2\)をこれに当てはめてみると・・・
\((\sqrt 2 x)^2-(\sqrt 2)^2\)とみることができます。
因数分解してみると・・・
\((\sqrt 2x+\sqrt 2)(\sqrt 2x-\sqrt 2)\)となり、因数分解できている感じになります。
確かに展開すると元に戻るので良さそうなのですが、基本的に因数分解は有理数範囲ですることになっています。
\(\sqrt 2\)は無理数なのでダメとなります。
まずは必ず共通因数でくくることを忘れないようにしていればこんなことにはならないので大丈夫です!
他にも\(16x^2-4\)なんかは危険です。
これを因数分解すると・・・
\((4x)^2-2^2\)とみて
\((4x+2)(4x-2)\)と、ドヤ顔で書いちゃう子がいますが残念ながら間違いです。
この問いの場合もまずは共通因数でくくります。
\(4(4x^2-1)\)
\(=4(2x+1)(2x-1)\)で正解となります。
\(4x+2)(4x-2)\)を正解にもっていくには、
\((4x+2)\)と\((4x-2)\)はどちらも共通因数が\(2\)です。
共通因数でくくって
\(2(2x+1) \times 2(2x-1)\)となり、整理して…
\(4(2x+1)(2x-1)\)となり正解と一緒になります。
はじめに共通因数でくくってもくくらなくても成果にはたどり着けますが、解き始めに共通因数でくくるのが簡単です。
何度も言いますが、因数分解で1番最初にすることは共通因数でくくることです。
まとめ
今回は高校入試でよく忘れがちな共通因数でくくることをメインにしました。
因数分解を習いたてのときは共通因数でくくることを忘れにくいのですが、これが高校入試問題の演習になるとコロッと忘れちゃうことが多くなります。
共通因数でくくることを忘れて因数分解が出来てしまった場合は答えっぽいものができあがることがあるので、絶対に忘れちゃダメですよ。