私は日本企業で社会人を経たのちに、一旦退職して海外への留学を経験しています。
私が留学を決めたタイミングは、社会人5年目に入ったときでした。
今日は「留学をするメリット・デメリット」について、特に社会人の方へ向けたお話を進めていきます。
私の経験談、現在アメリカで大学生活を送っている(日本企業勤務の経験あり)友人の話も共有させていただきます。
現在社会人で留学を検討されている方、また、留学してみたいけど最初の一歩が踏み出せない方への参考になればと思います。
社会人が留学するメリットとデメリット
私が留学を決めた当時は銀行員で、給料も待遇も決して悪くはない時代でした。
「毎日同じ時間の電車に乗り、会社に行って仕事をして、家に帰る…1年後もこの生活をしているのかな…」と、ふと自分の人生について考えることが多くなりました。
もともと英語の勉強、話すことは好きだったのですが、せっかく「好き」という気持ちがあるからこそ「好き」というレベルではなく「英語を使って仕事が出来る」というレベルになりたいと強く思い、留学を決意しました。
もちろん両親に留学のことを話した途端、大反対されました。
反対された理由は、留学にはメリットとデメリットがあるという観点からです。
「帰国してからどうするんだ?」
「留学の目的・目標は何だ?」
「今の仕事が嫌、つまらない、とかそんな理由で海外に行くのか?」
などなど…
何度も家族会議をしたことは、今ではいい思い出となりました。
留学を反対された大きな要因となった留学のメリット・デメリットには具体的に以下のようなことが挙げられます。
まずは留学するメリットからご紹介します。
社会人が留学するメリット
①教科書では教えてくれない様々な物事への考え方を振り返ることができる
今までの自分の人生で培ってきた「考え方」「人との付き合い方」「友人との関係」「家族との関係」「仕事に対する考え方」など、海外に住み、外国人を相手にコミュニケーションをとるようになることで、新しい発見はもちろん反省すべきこと、感謝すべきことなど、自分を取り巻く環境に対しての考え方を振り返り、学ぶことが出来ます。
②ビジネス英語を習得することができる
仕事で英語を使うとなると、顧客対応、電話応対、メール対応など「ビジネスレベルの英語」を知っているか、使いこなせているかがポイントになってきます。
日本語でも「タメ語」と「敬語」とは全く違うように、英語も普段友人たちと話す英語とビジネス英語は違うため、その使い分けが出来ることは、英語が話せることにおいて大きなメリットになります。
③国際感覚が身に付く
社会人を経験してから留学すると、学生時代よりも物事に対しての考え方が寛容になっていたり、違う観点から考えることができたり、客観的に考えることができたりと、今までの人生経験が役に立つことでしょう。
留学先には様々な国から学生が集まります。
特に大学で専門分野を学ぶのであれば、ヨーロッパ各国、アジア各国、色々な国の生徒と一緒に学ぶことになります。
文化が違うからこそ考え方も違う、考え方も違うから行動も違うのです。
それを「国際感覚を磨くいいチャンス」と前向きに捉えることで、他国の友人が増え、さらに国際的な考えを知るいい機会になることは間違いないです。
④留学後に外資系企業への就職を狙える
留学中に国際感覚を磨くことができた、ビジネスレベルの英語を身につけたなど「留学した」という経験から、外資系企業を視野に入れた再就職活動が出来るようになります。
ただし「留学という名の海外生活」ではなく「留学したことによって〇〇を身につけた」という自分の中で留学に対しての効果をきちんと把握していることがポイントになります。
社会人が留学するデメリット
①日本で築いたキャリアが一旦ストップすることになる
短期留学であればそれほど大きな影響はないかもしれませんが、本格的に英語を身につけるための長期留学となると、どうしても仕事を辞める等の行動が必要になります。
②資金のやり繰りをしっかりとしなければならない
これは私の体験ですが、一旦退職して留学中は無職だったので貯金が一気に減りました。
留学先での人付き合いは避けられません。
ある程度の予算が必要になります。
③もし現地で就職が可能になった場合に、日本にいたときより年収が低くてもいいという覚悟はあるか
やはりデメリットとしてはリアルではありますが「お金」と「留学後の仕事」ではないかと思います。
学生ではなく社会人ならではのデメリットではないでしょうか。
以上が社会人の留学に対するデメリットではないでしょうか。
これらのことを深く考えていくと、留学に対してなかなか前向きな気持ちになれない方もいらっしゃるかもしれません。
最後に『デメリットをメリットに変えられる努力』についてお話します。
社会人ならではの留学のデメリットをメリットに変える方法
①「留学すること」をゴールにしないこと
留学は残りの人生をさらに充実させるための、ひとつの通過点として長い目で自分の人生を考えることが大事です。
②留学後の就職について予定を立てる
私は現在アメリカに住んでおり、社会人を経験してから留学している日本人の学生さんたちをよく自宅に招待しますが、「帰国してから仕事について考える」という方はいません。
「レジュメを作成中だけど第三者の目で見て欲しい」
「履歴書のこの部分、おかしくないか見て欲しい」
「企業とメールでやりとりしているけれども、このメールの文章は失礼にあたらないか日本語のチェックをしてほしい」
「インターンで無給だけど現場で学べるチャンスをもらえた」
など、学生をしながらもすでに就職に対してのアンテナを立てて、情報収集、チャンスがあれば自分から行動をしている学生たちがほとんどです。
企業から「卒業に合わせてうちに来て欲しい」と言われた学生さんもいます。
やはりその学生さんは、学生でありながらも、帰国後に就きたい業種へコンタクトを取り、学業の進捗などを知らせるメールでやり取りをしながら、採用担当者とよい人間関係をキープする努力をしていました。
③留学中、留学後の資金繰りについて事前に計画を立てておく
お金はどんなにあっても、あれやこれやと、大きな出費がなくともあっという間に無くなってしまうものだということを経験された方は多いと思います。
留学に全財産を費やすのは、ちょっと危険かな…と個人的には思います。
留学後(卒業後)に日本に帰国する飛行機代、日本に帰国してからの生活費など、もし誰かからの援助なしで自分自身でやり繰りをする必要があるのであれば、念のために「留学後の資金」を違う口座に確保しておくなど事前にお金の対策をしておくことをお勧めします。
留学して帰国したらお金がなくて、ひとまずアルバイトをしたはいいが日本語しか使っていない…と嘆いていた友人も過去にいました。
まとめ
社会人を経験してから留学をスタートすることは、とても素晴らしいことだと思います。
一度社会に出た経験は、留学生活においても人間関係や物の考え方において非常に有効だと感じています。
社会人における留学は、「留学初日は自分の残りの人生の最初の日」という前向き思考で、ご自身が思い描く人生が送れるよう、前もっての準備を怠らないようにすることがポイントではないかと経験から感じています。
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