中学に入ると習う累乗。
書き方としては便利なのですが慣れるまでは意外と間違ってしまうことも…
3の2乗を計算しようとしたときに、何気なく3×2=6としてしまう子も。
今回はこの累乗について書いていきたいと思います。
累乗の意味
累乗は中学1年生で出てくる言葉です。
累乗の意味は、同じ数を掛け合わせたもののことを言います。
この言葉自体はそんなに大事というわけではないのでふーんというくらいでOKです。
中間考査や期末考査前はきちんと覚えておくのがおススメです。
しかし実際の数学でこんなことは聞かれることはあまりありませんのでなんとなく分かっていれば大丈夫です。
言葉の意味よりも書き方やその意味については完璧に理解しておきましょう。
早速見ていきましょう。
<例題>
次の式の意味を書き、計算をしましょう。
①2222
②3434
問題を解く前に読み方をきちんとしておきましょう。
①は「にのにじょう」、②は「さんのよんじょう」と読みます。
①から見ていきます。
右上の数字は直前にあるものを掛けた回数を表しています。
つまり①は2を2回掛けるという意味をあらわしています。
計算すると、22=2×2=422=2×2=4となります。
②は3を4回掛けるという意味を表しています。
なので、34=3×3×3×3=8134=3×3×3×3=81となります。
右上の小さな数字[1]右上の小さな数字を指数といいます。は掛ける回数を示しています。
混乱してくると直接その数字を掛けてしまうお子さんが意外に多いです。
①の場合だと、2乗の意味をどちらにとっても2×2=42×2=4となるので、答えがあってしまうため、理解しているのか理解していないのかは見た目には分かりません。
しかし、②の場合だと意味を取り違えてしまって、3×4=123×4=12としてしまう子もいます。
そんなことにならないように右上の数字は左下にある大きな数字を何回掛けるかを表したものだと言うことをしっかり覚えておきましょう。
累乗がかっこに付いている場合
右上の小さな数字が掛ける回数だということが分かれば次はかっこのついた累乗です。
括弧があると累乗の意味が難しくなります。
なんとなくではなく、きちんと理解できるようにしてくださいね。
早速例題を見ていきましょう!
<例題>
①−32−32
②(−32)(−32)
③(−3)2(−3)2
右上の小さな数字は(これから後は指数って書きますね!)直前のものにしか、かからないということを覚えておきましょう。
これさえ覚えておけば丸暗記なんてする必要はありません。
指数は直前のものにしか、かかりませんよ。
ここを頭に置きながら考えてみましょう。
①−32−32からみていきます。
指数は直前のものにしかかからないので、2の直前にある3にしかかかりません。
と、いうことは、3だけを2回掛けるということになります。
つまり−3×3=−9−3×3=−9となります
②(−32)(−32)をみていきます。
指数は直前のものにしか、かからないということをしっかり覚えてくださいね。
しつこいですけど、これさえ覚えればバッチリです!
②の2の直前にあるものは3ですね。
よって3だけを2回掛けると言う意味です。
つまり−3×3=−9−3×3=−9ということになります。
指数は直前のものにしかかからないことを意識してくださいね。
③(−3)2(−3)2をみていきます。
2の直前にあるものは何でしょうか?
)ですよね!
つまり、かっこを2回掛けると言う意味なのですがかっこは、「(」と「)」でセットですよね。
(−3))(−3))なんてしても何がしたいのかさっぱり分かりませんし、もう式としての意味もよく分からなくなってしまいます。
また、かっこが、(」と「)」でセットだといっても、(−3)()(−3)()なんてしても、これもまたさっぱり分かりません。
かっこに指数が付いているときに、その指数はかっこの中身ごとを何回掛けるのかを意味しています。
つまりこの問題の場合は(−3)(−3)を2回掛けるという意味になります。
この問題を解いてみる(−3)×(−3)=9(−3)×(−3)=9となります。
指数が直前にあるものにしかからないことを意識することができれば、それだけで指数をマスターすることができます。
指数法則と累乗
まずは指数法則を書き出してみます。
指数法則
am⋅an=am+nam⋅an=am+n(am)n=amn(am)n=amn(ab)m=am⋅bm(ab)m=am⋅bm
こんな感じですね。[2]⋅⋅は×と同じ意味です。例えば2⋅3となっていれば、2×3と同じ意味です。
一応覚えましょうって、ことになっていますが、覚えてもすぐ忘れてしまいませんか?
覚えなくても、指数は直前のものにしかかからないということを意識さえできれば上の指数法則なんて覚える必要はありません。
それでは1つずつ見ていきましょう。
am⋅an=am+nを導いてみましょう。
式の意味から考えてみましょう。
amはaをm回掛けるという意味です。
またanはaをn回掛けるという意味です。
am⋅anは、aをm回掛けたものに、aをn回掛けるということです。
つまり全体として考えるとaをm+n回掛けるという意味なるので、am+nということになります。
次に(am)n=amnをみていきます。
nがどこにかかっているかがポイントです。
nの直前にあるのは、かっこなのでかっこの中身をn回掛けるという意味なります。
(am)⋅(am)⋅(am)⋯(am)という感じでamをn回掛けると言うことになります。
つまり全体としてはamをn回掛けるとということはaをmn回掛けるということになるので、(am)n=amnということになります。
最後に(ab)m=am⋅bmについてみていきます。
さっきの(am)n=amnと同じように考えていけば分かります。
mは直前にあるもの、(ab)をm回掛けるという意味です。
つまり、ab⋅ab⋅ab⋯abという形になります。
aをm回、bをm回掛け合わせたものなので、(ab)m=am⋅bmとなります。
指数法則も意外と覚えずに導けますね。
意味をしっかりつかんでした方がスムーズに解けるようになりますよ。
まとめ
今回は累乗や指数法則について書いてみました。
公式なので暗記してくださいといわれがちなのですが、理屈が分かれば知らなくてもスムーズに使えるようになります。
理屈がつかめたら問題集などで練習しておくとばっちりではないでしょうか?
暗記をしてもちょっとした勘違いや記憶違いでの間違いが多くなります。
焦らず理解が大切ですよ。