前回に引き続き因数分解の応用編です。
前回は、共通因数を見つけてその後公式で因数分解するものや、置き換えて因数分解をするものを扱いました。
今回は前回の応用編よりもやりにくそうな応用問題をやってみます。
公式を使ってから置き換えて因数分解するものなどを扱ってみますね。
ここまでできればなかなかすごい!と思いますよ。
それでは実際に問題を解きながら考えていきましょう。
目次
因数分解の難しい応用問題を解こう!
それでは早速解いてみましょう。
<例題>
因数分解しましょう。(クリックすると解説に飛びます。)
①\( (x^2-x)^2-8(x^2-x)+12\)
②\( (x^2-3)^2-4x^2\)
③\( (x^2+3)^2-16\)
④\(x^2+2xy+y^2-4\)
⑤\(4a^2+12ab+9b^2+6a+9b+2\)
⑥\(-x^2-3x-2\)
①\( (x^2-x)^2-8(x^2-x)+12\)
ややこしそうな因数分解だと思ったら、すぐに手を動かさずに式を眺めてみてください。
すると同じ塊が2つあるのが見えますよね。
\(x^2-x\)のところです。
この2つの同じかたまりを1つの文字でおきましょう。
\( x^2-x=A\)とおきます。
すると\(A^2-8A+12\)となり、因数分解しやすくなりました。
掛けて12足して-8になる数を見つけることが出来れば簡単にできますね。
\(A^2-8A+12\)
\(=(A-2)(A-6)\)
\(A=(x^2-x)\)とおいたのでこれを元に戻して、
\( (x^2-x-2)(x^2-x-6)\)となります。
ここでこれを答えとして書きたくなりますが、この状態では×になってしまいます。
何かの2乗が残っていたら注意してください。
この場合だと\(x^2\)に着目です。
2乗項がまだあるということは、さらに因数分解できるかもしれません。
今回は括弧内のどちらもが因数分解することが可能です。
最初の項\( (x^2-x-2)\)は\( (x+1)(x-2)\)と因数分解することができ、
後の項\( (x^2-x-6)\)は\( (x+2)(x-3)\)と因数分解することができます。
つまり答えは
\( (x+1)(x-2)(x+2)(x-3)\)ということになります。
因数分解は途中で終わってはダメです。
とにかくいけるところまできれいに因数分解しないと、容赦なく×になってしまうので注意しましょう。
何かの2乗があるときは、まだ因数分解できるのではないかと疑う癖を付けるといいですね。
②\( (x^2-3)^2-4x^2\)
今度は同じかたまりはありませんが、2乗マイナス2乗がありますね。[1]2乗マイナス2乗のかたちであれば因数分解できると覚えておくと気づきやすくなります。
見やすくするために\(x^2-3=A\)、\(2x=B\)とおきます。
\(A^2-B^2\)
\(=(A+B)(A-B)\)
\(x^2-3=A\)、\(2x=B\)とおいたので
\( (x^2-3+2x)(x^2-3-2x)\)
見やすくするために降べきの順[2] … Continue readingに並べます。
\(=(x^2+2x-3)(x^2-2x-3)\)
\(=(x+3)(x-1)(x+1)(x-3)\)
次数が2次以上のかたまりがないのでここで終了です。
最後の1行まできちんと因数分解することが大事ですね!
③\( (x^2+3)^2-16\)
②と似ていますが、外に文字がなくなりました。
今回も出足は2乗マイナス2乗の公式を使いますが気づきますか?
\(x^2+3=A\)とおきます。
\(A^2-4^2\)
\(=(A+4)(A-4)\)
\(x^2+3=A\)とおいたので、
\( (x^2+3+4)(x^2+3-4)\)
\(=(x^2+7)(x^2-1)\)
ここで前の項の\(x^2+7\)はこれ以上因数分解できないのでそのまま放置です。
後ろの項の\(x^2-1\)は2乗マイナス2乗になっているので、さらに因数分解することが出来ます。
答えは\( (x^2+7)(x+1)(x-1)\)となります。
答えに2乗の項が見えますが、それ以上因数分解できないときはそのままでOKです。
ただ2乗の項があるということはさらに因数分解できる可能性があるので、それ以上できないかしっかり確認することが大事ですよ。
④\(x^2+2xy+y^2-4\)
部分的にまずは因数分解します。
はじめの3つの項に着目すると、
\( (x+y)^2-4\)となります。
2乗マイナス2乗になったのは見てわかりますか。
見た目に分かりやすくします。
ここで\(x+y=A\)とおくと
\(A^2-2^2\)
\(=(A+2)(A-2)\)
\(x+y=A\)とおいたので
答えは\( (x+y+2)(x+y-2)\)となります。
⑤\(4a^2+12ab+9b^2+6a+9b+2\)
随分と難しくなってきました。
この場合ははじめの3つの項を因数分解します。。
\( (2a+3b)^2+6a+9b+2\)
さらに\(6a+9b\)を3でくくります。
\( (2a+3b)^2+3(2a+3b)+2\)
すると、同じかたまりができました。
\(2a+3b=A\)とおくと
\(A^2+3A+2\)
\(=(A+1)(A+2)\)
\(2a+3b=A\)とおいたので
答えは\( (2a+3b+1)(2a+3b+2)\)となります。
⑥\(-x^2-3x-2\)
最後の問題です。
因数分解としては優しい問題ですがちょっと盲点だったらダメだと思い出題してみました。
この問題のポイントは\(x^2\)の係数が-1ということです。
こういう場合はいったん\(x^2\)の係数を+1にすると因数分解しやすくなります。
-1でくくってみましょう。
\(-(x^2+3x+2)\)
\(=-(x+1)(x+2)\)となります。
難しくはないのですが、共通因数のように-1でくくるということを知らなければ解けません。
共通因数がなくても\(x^2\)の係数が-1であれば-1でくくるようにすると因数分解が楽にできます。
まとめ
今回は因数分解の応用問題でもややこしいものを扱いました。
ここまでできれば大抵の場合は大丈夫ではないでしょうか?
中学生でこれ以上の問題が必要になることはまれだと思います。
因数分解はある程度たくさんの問題を解いた方が上達が早いです。
見たらすぐに解ける!といえるくらいまでしっかり練習することが大事です。
因数を見つけるコツなどをつかめるとすんなりできるようになりますよ。