前回の記事「中学の因数分解の公式の使い方」では、中学校で習う因数分解の公式とその公式の使い方についてしました。
スラスラできるようになりましたか?
まずは難しいものは解けなくていいので、基本の因数分解をスラスラ解けるようにしたいものです。
応用は因数分解の基礎があればきちんとできますのでまずはスラスラ解けるくらい慣れておくのが大事です。
因数分解の応用とはいっても、そんな異常に難しいというものではなく、前回の因数分解の基礎的なものを組み合わせたものや見方をちょっと変える感じで解くことができます。
中学の因数分解のコツ
それでは早速見ていきましょう。
共通因数が要!
<例題>
次の式を因数分解しましょう。
\(3x^2-15x-18\)
因数分解でまずすることは共通因数を見つけることです。
この問題では3が共通因数になるので3でくくります。
\(3(x^2-5x-6)\)
3でくくってみました。
今度は掛けて-6足して-5になる数を探します。
その数は、-6と1になるので、公式を使って因数分解の続きをします。
\(3(x-6)(x+1)\)となります。
基本的に最初にするのは共通因数を見つけてくくることです。
忘れないようにしましょう。
特に\(x^2\)に係数があるときは共通因数で一旦くくることが多いです。
それから、公式を使って因数分解する形が多いです。
(まれに共通因数でくくって終わりということもありますが…)
ただ、\(x^2\)に係数がついていても中学生にも因数分解できる場合があります。
その時は、項数からどの公式が使えそうか判断します。
項数が2項で因数分解できる場合
\(a^2-b^2=(a+b)(a-b)\)を使います。
基本的に2項間で公式を使って解けるのがこれだけです。
<例題>
因数分解しましょう。
\(4x^2-1\)
2乗マイナス2乗の形にできるかどうか見てみましょう。
\( (2x)^2-1^2\)
となるので公式を使って因数分解します。
答えは\( (2x+1)(2x-1)\)となります。
項数が3項で因数分解できる場合
この見方はちょっとずるいのですが、共通因数でくくったあとの項が、\(x^2\)、\(x\)、定数項の3項があるとき、この時は\(a^2+2ab+b^2=(a+b)^2\)を使うものと考えて大抵OKです。
こんな問題です。
<例題>
因数分解をしましょう。
\(169x^2+182x+49\)
もう数字が大きくてどうしよう・・・って感じですよね。
この時に共通因数がないことが分かれば\(a^2+2ab+b^2=(a+b)^2\)を使うとヤマをはれば簡単!
\( (13x)^2+182x+7^2\)と見ることができれば、答えは
\( (13x+49)^2\)と書くことが出来ます。
念のため\(2\times 13 \times 7=182\)と確認をしてあげると安心です。
これは高校生は使ってはダメですよ。
高校生になるとたすき掛けって呼ばれる因数分解を習うのでそれだと\(a^2+2ab+b^2=(a+b)^2\)を使うとはヤマをはれないので・・・
あと難関校を受験する中学3年生はこれは使わない方がいいです。
きっとたすき掛けを習うはずなのでそれで解いてくださいね!
因数分解の置き換え編!
<例題>
因数分解をしましょう。
\(a(x+y)-3(x+y)\)
この式を見て同じかたまりがあることに気付きますか?
\(x+y\)が2つありますね!
\(x+y\)を\(A\)で置いてみると、
\(aA-3A\)となります。
共通因数の\(A\)でくくると\(A(a-3)\)となります。
答えは\(A(a-3)\)となります。
とすると×になっちゃうので気を付けてくださいね。
答えとして書いた\(A(a-3)\)の中にある\(A\)は、問題の式\(a(x+y)-3(x+y)\)の中にはありません。
勝手に\(x+y\)を\(A\)で置いたので、\(A\)を元に戻さないといけません。
元に戻してあげて\( (x+y)(a-3)\)が答えということになります。
元に戻さないと確実に×にされてしまうので必ず元に戻すようにしましょう。
もう一題やってみましょう。
<例題>
因数分解をしましょう。
\( (x+y)^2-6(x+y)-16\)
また共通なかたまりがありますね!
\(x+y=A\)と置いて、\(A^2-6A-16\)。
あとはいつも通りに因数分解です。
足して-6掛けて-16数を考えると、-8と+2なので\( (A+2)(A-8)\)となります。
あとは元に戻して、\( (x+y+2)(x+y-8)\)が答えになります。
次はちょっと置き換えることに気付きづらい問題です。
<例題>
因数分解しましょう。
\( (3x-2)^2-(x+3)^2\)
置き換えるにも同じかたまりがありませんが、よく見てみると2乗マイナス2乗になっているのは気付きますか?
見た目ではちょっと分かりにくいので、
\(3x-2=A\)、\(x+3=B\)と置いてみると
\( A^2-B^2\)となります。
これを因数分解すると
\( A^2-B^2=(A+B)(A-B)\)となり、元に戻してあげます。
\( \{ (3x-2)+(x+3)\}\{(3x-2)-(x+3) \} \)となり、あとは括弧の中を整理して、
\( (4x+1)(2x-5)\)となります。
置き換えと言ってもいつも同じかたまりを置き換えてあげる訳ではないんですね。
分かりやすくするために置き換えることもあります。
もちろん、文字で置き換えなくても分かる!という子は置き換えずにそのまましても大丈夫です!
慣れてきたら置き換えずにも出来るようになるといいですね!
まとめ
中学生の因数分解のコツについてでした。
どんな風にすればできるのか理解できたらきちんと練習することが大事です。
このレベルの問題は中間考査や期末考査といった定期考査ではそんなに出題されることはないと思います。
定期考査で出題されるかされないかは担当の先生に確認するとよいでしょう!