医学の進歩は目まぐるしいものを感じます。
昔は亡くなっていた病気でも今は治療法が見つかって健康を取り戻すことができるようになったり、病気によって将来への希望が持てなかった人たちにも希望がもてるようにもなりました。
しかし病気になったことで将来家庭を持つことを諦めた人、諦めようとしている人もいると思います。
私は若年性パーキンソン病を30代前半で発症し、初めての出産ではありませんがその後1人出産しました。
もし、今私と同じ病気で将来出産への不安があり悩んでいるという方がいらっしゃったら私の経験を参考にして頂ければ幸いです。
若年性パーキンソン病でも出産できる?
私が第3子を妊娠した時はドパコール、エフピーという薬を内服しておりニュープロパッチという貼付薬を貼っていました。
そのため急いで病院へ連絡し薬を中断した方がいいのか、続けてもいいのか確認しました。
私の場合ドパコールのみ内服可能ということであとは中断しました。[1]若年性パーキンソン病を発症してから妊娠された方の中には薬を全て中断した人もいるそうです。
病気の進行具合や家庭環境によると思いますが、薬を飲み続けるという選択をしたことは出産して元気な赤ちゃんの姿を見るまではずっと心に引っかかっていました。
主治医からは「絶対100%大丈夫とは言えないけど、健康なお母さんだって100%元気な赤ちゃんを産むとは限らないよ。逆に薬を切ることでバランスが取れなくなって転ぶ方が赤ちゃんには危険」と言われました。
薬を飲むことに罪悪感を感じていた私の気持ちを察してそう言ってくれたのかはわかりませんが、とても救われた気持ちになりました。
その後は順調に臨月までいくことができました。
しかし、臨月となり体重も増え薬効が薄まってきたのか、ドパコールを飲んでも動きにくさとダルさでほぼ一日中横になっていました。
ご飯はもちろん作れないですし、お風呂は主人の手を借りる状態だったので、もし手伝いにきてくれる人がいるのなら来てもらった方が良いと思います。
産科の先生とは最初は普通分娩にしましょうと話していましたが、私の状態をみて「管理分娩にしましょう。今のままではオフの時に陣痛が来たら安全に病院までこれるか心配でしょ」といわれ管理分娩にしました。
管理分娩とは計画的に入院し風船や促進剤で陣痛を誘発し、出産することです。
ちなみに急な陣痛に備え、私はママサポートタクシーというのに登録していました。
ママサポートタクシーとは、前もってかかりつけの病院や出産予定日などを登録する事で陣痛時などに利用できるサービスのことです。
登録しておくといざという時安心です!
私は登録したものの管理分娩となったためママサポートタクシーを使わず普通のタクシーでいきました。
そして、予定日の前日に入院し風船を入れる処置をしました。
検診の時に産科の先生から「産む時はオフでも力は入る?」と聞かれたことがあります。
私の場合は大きな力を出すことは可能だったので産むことはできましたが、もし無理そうであれば帝王切開などの可能性もあるかと思います。
分娩室は通常は分娩台だけなのですが私の場合はジスキネジアが強く出ていたので分娩台から落ちる可能性があるということで分娩台の隣にベッドを置きギリギリまでベッドの上にいました。
出産時はジスキネジアが酷く助産師さんから抑えてもらいながらの出産となりました。
まとめ
若年性パーキンソン病を発症してからの出産は内服薬はどうするか?出産時にオフだったらどうするか?など確かに不安なことは多いです。
内服薬や進行状況、周りの環境など違うので「絶対大丈夫」とは言えませんが子供を望んでいるのであれば家族と話し合い、主治医に相談してみてはいかがでしょうか?
若年性パーキンソン病だからと言って諦めるのはまだ早いかもしれません。
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References
↑1 | 若年性パーキンソン病を発症してから妊娠された方の中には薬を全て中断した人もいるそうです。 |
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