記事内に広告を含みます

中学の二次方程式の平方完成を用いた解き方

中学3年生で平方根が終わるといよいよ二次方程式。

中学で習う二次方程式の計算問題はグラフなどを扱わないのでイメージしづらい単元になります。

なかでも平方完成を使った問題となると解けるという子は学年でもかなり少ないのではないでしょうか。

今回は平方完成のやり方から平方完成を使った二次方程式の解き方、平方完成をするとなぜ解が出せるのかについて説明していきます。

中学生向け数学の平方完成!

二次方程式の因数分解を使った解き方の前くらいかな?

その辺りでやる平方完成は結構分かりにくいものです。

なんとなく目的も分かりにくいし、単純な展開とも因数分解とも目的が違います。

ごちゃごちゃ言ってみても分かりにくいので実際にやってみましょう。

<例題>
次の式を平方完成しましょう。
\(x^2+2x-8\)

それでは実際にやってみます。
\( (x+1)^2-9\)
こんな感じですね。

結果は簡単そうに見えるのですが、やるとなると結構難しいですよね。
数をこなすだけではなかなか上手くならないのでしっかりコツをつかんでいきましょう。

まずは平方完成とはどんなものか考えていきます。

平方完成とは、\( (  )^2\)の中に全ての文字が入った形にすることです。
上の問題だと2乗がついた括弧のなかには\(x\)がありますが、外にはありません。
そんな形にするのが目標です。

平方完成をするときに、見ないといけない項と、見てはいけない項があるのを知っていますか?
見ないといけない項は、次数が2次の項と1次の項です。
逆にみてはいけない項は、定数項です。
ここが1番の基本で、大切なコツになるのでルールと思って守ってくださいね!

\(x^2+2x-8\)
もう1度この式を平方完成していきます。

見るところは2次の項と1次の項で、見ちゃダメな項は定数項でしたね!
つまりこの式の場合は\(x^2\)の項と\(2x\)の項をよく見て、\(-8\)は見ちゃダメ!無視をするようにしましょう。
\(x^2\)の係数が1であることを確認したら、\(x\)の項の半分(2で割った数)、今回は\(2\)の半分の1を\( (前+後)^2\)の後ろに書き入れます。
前の所には\(x\)を書き入れると
\( (x+1)^2-8\)となります。
後ろについている\(-8\)は1番後ろにくっつけておけばOKです。

でもこの式を展開すると\(x^2+2x+1-8\)となりますね。
元の式と変わってしまったのはわかりますか?
\(+1\)が増えてしまったので、それを引いてあげましょう。
この場合は\(1\)を引けばOKです。

つまり\( (x+)^2-1-8\)となります。
\(-1\)をしたのでもとの式と一緒になりますね。
よって平方完成した式は
$$(x+1)^2-9$$となります。

平方完成で二次方程式を解く!

ただ平方完成をしただけでは、平方完成のメリットが全く分かりません。
だから何?って感じですよね。
平方完成のメリットを知るために平方完成を利用して二次方程式を解いてみましょう!

<例題>
次の方程式を解きましょう。
$$x^2-3x-4=0$$

始めは因数分解でも解ける問題です。
因数分解を使って解くと・・・
$$(x-4)(x+1)=0$$
となり解は\(x=4,-1\)となります。

そんなに難しくはないですね。
それではこの問題を平方完成を用いて解きます。
\( (x-\frac{3}{2})-(\frac{3}{2})^2-4=0\)
\( (x-\frac{3}{2})=\frac{25}{4}\)
\(x-\frac{3}{2}=\pm \frac{5}{2}\)
\(x=\frac{3}{2}+\pm \frac{5}{2}\)
\(x=4,-1\)

となります。
なんだかややこしくなったように見えなくもないのですが、これは因数分解でも求められるためそう見えるだけです。
まずはこの平方完成の作り方が難しいのでしっかりコツをつかんでいきましょう。

平方完成でなぜ解ける?

平方完成の目的は\(x\)を\( (   )^2\)の中だけにする事でした。
すると\( (x+a)^2+c=0\)といった形になります。
このとき\( (x+a)\)をひとかたまりとみると、変数に当たるのは\( (x+a)\)のみになり、他は定数と考えることが出来ます。

ちなみに\(ax^2=b\)という形であれば答えが出せますよね。
例えば\(4x^2=5\)みたいな形のことです。
これを解いてみると・・・
\(X^2=\frac{5}{4}\)
\(x=\pm \frac{\sqrt{5}}{2}\)
となります。

平方完成をすることで二次の項と定数項のみにすることが出来るわけです。
ここから分かることは二次方程式では二次の項と定数項のみからなる式にできれば答えがだせるということです。
だから平方完成をすることで二次方程式が解けるんですね!

まとめ

今回は平方完成についてでした。

平方完成単独でみると特別役に立つものではありませんが、二次方程式と組み合わせるとすごい武器になります。
平方完成ができると全ての二次方程式が解けますからね。
ちょっと面倒ではありますが。

中学校では二次方程式でしか使えないのですが、高校生になると平方完成は非常に重要な式変形となります。
数学が苦手な中学生は平方完成は後回しでもいい気がしますが、後々はある程度できるようにしておいた方がいいですね!

最後に平方完成のコツを整理しておきますね。
すらすら当たり前のように出来るようにしておくといいですよ。

・平方完成の考え方・目的
2乗の括弧の中に\(x\)を全て入れてしまい、括弧の外には定数項しかない状態にする。

・平方完成のやり方
2次の項と1次の項のみを見て、定数項は扱わない。
\( (x+a^2)\)の形にするときの\(a\)のところにいれる値は1次の項の半分(割る\(2\))した数。
\(a^2\)が余分にでてくるので\(-a^2\)で引いてあげる。
\(x^2\)に係数がある場合はもう少しややこしくなります。
\(x^2\)の係数が\(1\)意外のときはまた機会があれば書きますね!