教員の方にとって、家庭訪問は時間との闘いでもあるのではないでしょうか。
もちろん、保護者側も家庭訪問は10分くらいと知っていることが多く、「限られた時間で先生に失礼のないようにマナーを守りつつも、子供のことも色々と話したい」と、事前準備をしていることでしょう。
今日は「家庭訪問で生徒の自宅を訪れる時に教員が気をつけたいマナー」というテーマで、
「この先生が担任でよかった」「うちの子供も先生のようにきちんとマナーを身につけた大人になってほしい」という、よい印象を保護者に持ってもらえるような、家庭訪問で気をつけたいマナーについてお話していきます。
目次
家庭訪問は保護者から信頼を勝ち取るチャンス!気を付けたい教員マナーとは?
まず、家庭訪問において教員がすべき大事なことは「全ての家庭で同じ対応をする」ということです。[1]生活実態、生活態度や生徒の素行確認のために、限定された生徒の家の中、部屋を観察するなど教育者側として特別な理由のある場合は別です。
「全て同じ対応」というのは、例えば「お茶、お菓子」を出された場合、ある家庭ではケーキを全部食べて、次の家庭ではお菓子には手をつけず・・・といった対応にならないように気を付けるということです。
もしそのような対応をとってしまうと、保護者同士で「うちは全部召し上がったけど」「うちは手もつけなかった」など、保護者トラブルの基にもなりかねません。
こういった事態を事前に防ぐためにも「食べないなら全家庭で食べない」など、対応を統一しておいた方がよいです。
家庭訪問での教員のマナーが教師への信頼度を高める!
では、家庭訪問先のお家へ到着した際のマナーですが、
・コートや防寒具を身につけていた場合は、チャイムを鳴らす前に外で脱いでおく。
コートは裏返してたたみます。
外でついた埃を家の中に落とさないという大人のマナーです。
・チャイムを鳴らしたら保護者が出てくるのを待ちます。
保護者がドアを開けたからと言って「時間もないし」と、サッサと玄関の中に入らないよう気をつけてください。
保護者から「どうぞお入りください」と言われてから「失礼いたします」「おじゃまいたします」と言って入ります。
・家の中に上がる際には保護者から「どうぞお上がりください」と言われてから靴を脱ぎます。
正面(部屋の方向)を向いて、靴を脱ぎ、「失礼いたします」「おじゃまいたします」と声をかけます。
保護者にお尻を向けないように、半身で膝を床について靴の向きを変えて、玄関の端に寄せておきます。
スリッパが用意されていたら、スリッパを履きます。
・廊下や部屋の中をキョロキョロとあからさまに見渡すことは避けます。
家の中(家庭環境)を観察したいのであれば、さり気なくチェックするようにしてください。
学校からのルールで「家庭訪問は玄関先で」と事前に保護者に連絡があったにも関わらず、保護者から「どうぞ中にお上がりください」とお部屋に案内された際は、一旦お断りするのがマナー
断り方(言い方)ひとつで「この先生は感じが悪い」「せっかく中へご案内しようとしたのに」と、悪い印象を与えてしまいかねないため、断り方(言い方)は十分に気をつけます。
「何を言っているか」ということよりも「どのように伝えるか」がポイントです。
例えば、「学校からの案内は読まれましたよね?家庭訪問は玄関先と決まっているので玄関で結構です。」という言い方をしてしまうと、保護者の気遣いを否定している言い方とも捉えられますし、「案内読んでないの?」という上から目線の印象です。
お断りする際により丁寧な印象を与える言葉遣いとして、「お気遣いいただきありがとうございます。せっかくですが、学校からご案内がありました通り、1軒あたりの訪問時間に限りがありますので、玄関でお話させていただいてもよろしいでしょうか?」というように「感謝+クッション言葉+理由」を相手に伝えることで、お断りしているにも関わらず、丁寧な印象になります。
家庭訪問先で出されたお茶やお茶菓子はいただくのが教師のマナー?
続いて『お茶とお菓子』を出された場合のマナーです。
お茶、お菓子は頂く際には必ず「いただきます」、飲み終わったら「ごちそうさまでした」と保護者に伝えます。
ひと口だけ・・・と食べ残すと、あとは捨てるしかないため、全部食べないのであれば口はつけないでおきます。
お菓子をお断りする際にも丁寧な言い方に気をつけます。
保護者は「何がいいかしら?」と考えて、お菓子には手をつけない先生が多いと知っていても、担任の先生のために購入してきてくれています。
「どうぞお召し上がりください」と言われた際には、「美味しそうな〇〇をご用意いただいてありがとうございます。大変申し訳ございませんが、全てのご家庭でご遠慮させていただいておりますので・・・」と、丁寧にお断りします。
「よろしければお持ちください」と個装の焼き菓子や、ペットボトルのお茶などを出された際には、保護者は「先生は喜んでくれるはず」と思っていることが多いので「ありがとうございます」と、ご自身の判断でいただいてください。
日本茶を出された場合に、蓋つきの湯呑が出てきたとき
こうするとテーブルに蓋を置いたときにまわりを濡らさずに済みます。
紅茶を出された場合
テーブルが離れている場合は、左手でソーサーを添えます。
このときも、必ずカップは片手で持ちます。
おいとまするまで気を抜けない家庭訪問でのマナー
スリッパかけに戻したり、左右を重ねたりすることはやりすぎです。
家庭訪問でタメ口はアリ?
保護者はもしかすると先生よりも年下かも知れません。
しかし、教員側としては終始敬語で丁寧に話す方がよいでしょう。
保護者よっては「先生がタメ口を使って話してくれる方が何でも話しやすくて嬉しい」という意見もあるようですが、全ての保護者がそう思っているわけではなく、逆に「教員なのにタメ口なんて」と思う保護者がいることもあるので、保護者には敬語でお話するように心がけてください。
まとめ
今回は家庭訪問で気を付けたい教師向けのマナーについて書いてみました。
慣れない家庭訪問に緊張してしまうこともあると思いますが、それは保護者の方も同じです。
落ち着いて挑んでください。
家庭訪問での印象が先生への信頼度となります。
きちんとマナーを守って、信頼できる先生だという印象を残せるように頑張ってくださいね。
References
↑1 | 生活実態、生活態度や生徒の素行確認のために、限定された生徒の家の中、部屋を観察するなど教育者側として特別な理由のある場合は別です。 |
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