「危ない!!!」
私がそう思った瞬間、12歳くらいの女の子が投げたバスケットボールが、7歳の女の子の顔を直撃しました。
もちろん7歳の女の子がボールを避ける俊敏性などあるわけがなく、顔に固くて重いボールが当たったショックで泣くどころか、当たった瞬間は放心状態でそのあと泣き出しました。
顔は赤く腫れていました。
スポーツ施設内での事故であり、先生たちは他の子どもに目を向けていて、両方の親はまだお迎えの時間ではないため不在、その瞬間を見ていたのは私ひとりでした
ボールを当てた女の子はすぐに駆け寄ってきて、「大丈夫?痛い?ごめんなさい。」と怪我をした女の子に声をかけましたが、女の子は大泣きして返事すらできずにいました。
当てた本人が先生に報告をすることはなく、大人である私がすぐに施設の責任者を呼び、状況を私から話しました。
ボールを当てられた女の子は幸い、顔の赤みも引いて泣き止み、その場で病院に行く、などの処置はありませんでした。
事故発生から5分経過した時点で、私と施設責任者、他の先生たちとで、「高学年、低学年が同じ場所で遊ぶことは、今回のように大人たちが見ていても危険な状況が発生する。時間を割り振り、学年ごとに場所を変えてアクティビティを行うカリキュラムを考えるべきです。」とすぐにその場で対策を考えました。
翌日からは、危ない状況を生み出すような「場所の共有」はなくなり、安全の基で子どもたちが思い切り遊ぶことのできる環境が整えられていました。
前置きが長くなりましたが、本日は「子どもが怪我をさせられたときの対応」についてお話を進めていきます。
子供が怪我させられた時の対応
冒頭の事例では、「偶発的に発生する子ども同士の怪我の事故はいつ被害者、加害者になるか分からない」「見ていていた大人がすぐに行動を起こすことが出来るか」「責任者がいるか」「今後の対策」など、様々な要因が含まれています。
みなさんにご承知おきいただきたいのが、「このように行動すればよい」という正解がないのが、子ども同士の怪我(事故)における対応です。
そこをお含みおきいただきながら、参考になる話があればぜひ参考にしてみてください。
事故発生時(怪我をさせられた瞬間から)物的証拠をいかに残すか。
記録を残すために親がやったほうがよいこと。
怪我をした直後の写真
自分の子どもが怪我をさせられて大泣きの中、写真を撮るのは難しいことです。
まして大きな怪我であれば、写真を撮るなんて余裕はないはずです。
しかし、怪我をさせた相手側の親御さんと話し合いなどが必要な場合は、証拠となり得るので写真は残しておいたほうがいい、と経験者の親は感じているようです。
また、怪我をしている子供だけでなく、事故が起きた場所が分かるものの写真も一緒に撮っておくと、どこで事故が起きたのか、という証拠になります。
写真を撮るメリットはこれだけではありません。
写真を撮れば時間が残りますよね。
「だいたい〇時頃」という曖昧よりも「何時何分に起きた」という証拠になります。
他にも、相手の親御さんが怪我の直後、どう対応したか、など後々に治療費などの話し合いの際に「言った、言ってない」を防止するためにも会話の録音は有効なようです。
この場合は、相手に一言ことわりを入れるようにしてください。
無断で録音してしまうと、後々、「勝手に録音した」ということで新たな論争が発生する可能性があります。
病院へはその日に行くことが重要
病院へその日のうちに行って診断書を発行してもらいます。
子どもの怪我で怖いのは、そのときは「大丈夫」と思っていても、実は頭部を強打していた、などのケースがあることです。
自分の子どもが1人で遊んでいて、頭をぶつけてたんこぶを作ったのであれば、怪我の直後から24時間様子を見るなどの措置はママの判断としてありなのかも知れませんが、相手に怪我をさせられたケースであれば、念のため怪我をさせられた当日に病院へ行き、医者に怪我の具合を診てもらい、その後に治療に関することについて話し合いになったときのために「診断書」を発行してもらうほうがよいです。
・子どものたんこぶや怪我って病院に連れて行くべき?判断の仕方は?
まとめ
怪我をさせられたのに、「そんなところで遊んでいたその子が悪い」などと、否を認めない、謝罪しない、お見舞いに来ない、など親御さん同士の感情のストレスが発生することもあります。
子どもが入院した、ともなれば会社を休まなければいけませんし、心理的ストレスもたまることは間違いないです。
怪我をさせた子どもの親御さんが、誠意をもって謝罪してくれ、今後の治療についても前向きに話し合いに応じてくれる方であれば、お互いの「常識」のレベルが同じと感じとれますが、すべての親御さんの常識が自分たちの常識とは限らない場合もあります。
話し合いが縺れてしまうことを想定して、怪我をさせたれた物的証拠、および見ていた大人がいるか、ということを被害者側として把握しておくことが大切です。
「怪我をさせた・させられた」ときの対応は難しい問題でもあります。
怪我をさせられたことで受ける、本人の身体的な痛み、看病する親御さんの心理的なストレスもあることでしょう。
また怪我をさせた側としても、謝罪やお見舞いなどの誠意を見せる努力に対するストレスが発生することもあるでしょう。
子ども同士の怪我のトラブルは起きないに越したことはないです。
が、やはり子ども同士なので回避できない、「やってやろう」と思って怪我をさせたわけではなく、突発的に起きてしまうこともあります。
いつ、我が子が加害者側になるかも知れません。
まずは怪我をさせた親御さんからの「誠意」に対しては、真摯に受け止めて差し上げることが大事なのです。