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二次方程式の判別式の使い方と解の個数 aが0のときも使えるの?

「判別式ってなに?」

「判別式っていつ使うの?」

高校生になると習う判別式。

今までの公式というと面積が求められたり、座標が求められたりするのに、解の個数しかわからないという地味な公式です。

この記事では判別式の使い方からその理由まで、判別式として覚えなくても当たり前に使えるようになるようにしていきます。

高校1年生向けの記事なので虚数に関してはなしです。

二次方程式の判別式の使い方

例題をみながら判別式の使い方を解説していきます。
まずは判別式を書き出してみます。

判別式

判別式を書き出してみます。

\(b^2-4ac\)を2次方程式\(ax^2+bx+c=0\)の判別式といいます。
一般的に\(D\)を使って書きます。
\(D\)と解の個数の関係は以下の通りです。
\(D>0\)のとき異なる2つの実数解をもつ
\(D=0\)のときただ1つの実数解(重解)をもつ
\(D<0\)のとき実数解をもたない

判別式を使って解の個数を調べる

例題を使って解の個数を調べてみましょう。
<例題>
①\(2x^2+3x+1=0\)
②\(x^2-8x+16=0\)
③\(-4x^2+2x-3=0\)

解いていきますよ。
①判別式を\(D\)とすると、
\(D=3^2-4\cdot 2\cdot 1\)
\( =1>0\)
よって、異なる2つの実数解をもつ

②にいきます。
判別式を\(D\)とすると
\(D=(-8)^2-4\dot 1\cdot 16\)
\( =0\)
よって、ただ1つの実数解をもつ

③にいきます。
判別式を\(D\)とすると
\(D=2^2-4\cdot (-4)\cdot (-3)\)
\( =-46<0\)
よって実数解をもたない

二次方程式の解の個数は判別式でなぜ分かる?

ちょくちょく判別式が独立した1つの公式と思っている方がいますが、実際には解の公式の一部です。
解の公式は覚えていますよね。$$ax^2+bx+c=0のとき$$$$x=\frac{-b\pm \sqrt{b^2-4ac}}{2a}$$でしたね。
判別式の\(D=b^2-4ac\)は解の公式のルートの中身のことです。

\(D=0\)のとき
\(x=\frac{-b}{2a}\)となるため解がただ1つの実数解に定まります。

\(D<0\)のとき ルートの中身が負になってしまいます。 2乗して負の数になる実数はないので解なしとなります。 ちょっと分かりにくいので先ほどの例題の③を使って考えると、\(D=-46\)なので、解は\(x=\frac {-2\pm \sqrt{-46}}{2\cdot (-4)}\)となります。 ルートのところだけに着目すると\(\sqrt{-46}\)は2乗して\(-46\)に数ということを意味します。 2乗して負の数になる数は実数にはありません。 ということは実数では表現できない数なので解なしということになります。

\(D>0\)のとき
解の公式から解は\(x=\frac{-b+\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\)と\(x=\frac{-b-\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\)の2つになるので、異なる2つの実数解となります。

判別式が正の時、負の時、0の時の解の個数を覚えるのではなく解の公式をもとに解の個数が考えられると忘れることもないと思います。

判別式はaが0の時でも使える?

結論からいうと、\(a=0\)の時は使っちゃダメです。
判別式を\(D=b^2-4ac\)と丸暗記していると使ってもよさそうな気がしますが、使っちゃだめですよ。
なぜダメか説明していきますね。

\(a=0\)の時に判別式が使えない理由

判別式を1つの公式として考えると理解できません。
判別式はもともと解の公式のルートの中身でした。
視野を広くして、解の公式をもとに考えてみます。
\(a=0\)を解の公式の分母にだけ代入してみます。
\(x=\frac{-b\pm \sqrt{b^2-4ac}}{0}\)となります。
分母が\(0\)になってはダメなので、解の公式そのものが使えないということになります。
ということは、判別式も使えないということになります。

まとめ

今回の記事では判別式の使った解の個数の求め方をしました。
中間考査や期末考査のような定期考査では、判別式を使うと分かっているので、丸暗記でも対応できます。
しかし、これが模試や大学受験になると判別式とは、と覚えておいても応用がきかないだけでなく、忘れてしまうこともあります。
きちんと解の公式の一部ということを理解して、判別式を使うことができれば忘れる心配も減らせます。
また、解の公式の一部ということから、\(a=0\)のときに判別式が使えないということも分かるのではないでしょうか。

実際には\(a=0\)の時は一次関数なので、簡単に解の個数は分かるはずなのですが…
\(a=0\)の時はグラフをイメージすれば簡単に解の個数は出せます。

常にグラフをイメージしていれば\(a=0\)の時は頭でグラフをイメージするだけで解の個数は分かります。
公式も大事ですがグラフをイメージすることも大事ですよ。

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