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連体詞と形容動詞の見分け方とは?大きなや小さなはどっち?

連体詞と形容動詞の見分け方、識別法は中学校の中間考査や期末考査といった定期考査から受験まであちこちで登場します。
そもそも連体詞ってなに?形容動詞ってなに?となってしまうお子さんもいると思います。
形容動詞と連体詞は働きから性質まで随分と違う品詞なのに、見た目が同じになる「~な」の形も語句はどちらが連体詞でどちらが形容動詞なのか一見しただけでは分からないものもあります。

今回の記事では連体詞と形容動詞の識別方法について解説します。

連体詞と形容動詞の性質の違いとは

連体詞と形容動詞とはどんな品詞なのでしょうか。
まずはそれぞれの特徴についてみていきたいと思います。

連体詞ってどんな品詞?特徴は?

まずは連体詞からみていきます。
連体詞は品詞の中では存在感があまりない品詞かもしれません。

どのような品詞なのかを簡単に言うと、連体詞とは「活用がなく体言[1]名詞の別名です。意外と登場する機会が多いのできちんと覚えておくのがオススメです。だけを修飾する」語句のことです。
ポイントは、連体詞は活用しないというところです。
体言(名詞)に連なる言葉ということで連体詞と呼ばれます。

品詞の性質は識別方法を忘れてしまったときに、識別方法を思い出したり、考えたりする材料になるのできちんと覚えておきましょう。

形容動詞ってどんな品詞?

形容動詞は、言い切りの形が「~だ」で終わる用言です。
働きとしては活用の違う形容詞[2]言い切りの形が「~い」となります。というくらいに考えておけばいいと思います。
形容動詞は活用するというところがポイントです。

連体詞と形容動詞の識別はなぜ問われるの?

そもそもなぜ連体詞と形容動詞の見分け方が出題されるのでしょうか?
形容動詞の活用を見てみましょう。

未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形
だろ だっ、で、に なら

この活用表の連体形(体言(名詞)を修飾するときの活用)の活用語尾「な」が連体詞の語尾「な」のものと同じに見えてしまうのです。
「~な」の形の語句は、見た目だけでは連体詞か形容動詞なのか、判断をすることができません。
そのため、定期考査や受験などで、連体詞なのか形容動詞なのかを識別する問題が出題されることがあります。

それでは連体詞と形容動詞の見分け方について考えていきます。

連体詞と形容動詞の見分け方、識別方法

先ほど、形容動詞の活用をみてみました。
形容動詞が活用する性質を持つことに対して、連体詞は活用しません。

連体詞と形容動詞の識別するのには、この活用するかしないかという性質の違いを用います。
「連体詞は活用しませんが形容動詞は活用します。」
このことを利用して連体詞なのか形容動詞なのかを見分けます。

連体詞と形容動詞の識別のポイント

連体詞は活用しないが、形容動詞は活用する。

「静かな」は形容動詞?連体詞?

「静かな」が連体詞か形容動詞かを判断してみましょう。

連体詞か形容動詞かの判断はこんな流れでやっていきます。

形容動詞と連体詞の判断の仕方

「~な」で終わる語が形容動詞だった場合、形容動詞の連体形になります。
形容動詞は活用するので、言い切りの形(終止形)である「~だ」という形に変えることができます。
つまり、「~な」となっている語句が、「~だ」という形にしたときに意味が通れば形容動詞と判断します。
もし、「~だ」の形にして、不自然であれば、連体詞と分かります。

今回は「静かな」なので、形容動詞であれば終止形があるはずです。

活用語尾を「~だ」の形にしてみます。
活用語尾を「だ」にすると「静かだ」になりますね。
「静かだ」は日本語として自然なので、「静かな」は形容動詞と判断できます。

「~だ」という形にして、自然であれば形容動詞、不自然であれば連体詞ということになります。
もう少し練習してみましょう。

大きなは連体詞?形容動詞?

今度は「大きな」が連体詞か形容動詞かの判断をしてみます。
まず、形容動詞の言い切りの形、終止形の「~だ」の形にします。
すると「大きだ」となりますね。
これは日本語として不自然ですよね。
そのため「大きな」は形容動詞ではないということになります。
つまり「大きな」は連体詞であると判断できます。

小さなは連体詞?形容動詞?

最後に「小さな」が連体詞か形容動詞かの判断をしてみましょう。
今回も同じように形容動詞の終止形の「~だ」の形にしましょう。
すると「小さだ」となり、不自然な日本語になってしまいました。
ということは、「小さな」も形容動詞ではなく、連体詞ということが判断できますね。

連体詞か形容動詞かを識別する流れ

STEP.1
「~だ」の形にしてみる
「~な」となっている言葉を「~だ」という形にする
STEP.2
「~だ」の形が自然か不自然か判断
「~だ」の形が自然であれば、形容動詞
「~だ」の形が不自然であれば、連体詞

まとめ

今回は連体詞と形容動詞の見分け方をしてみました。
連体詞は活用がなく、形容動詞には活用があるという性質の違いを使って見分けます。
「~な」という言葉を形容動詞か連体詞か見分ける問題が出たら、形容動詞の終止形の「~だ」の形にして日本語として自然か不自然かで判断します。
自然な日本語になれば形容動詞ということです。
不自然な日本語になれば形容動詞ではない→つまり連体詞であるという判断ができるようにしておきましょう。
きちんと判別の仕方を覚えておけばそんなに難しくありません。
しっかり形容動詞と連体詞の識別方法を暗記して連体詞か形容動詞か見分けられるようにしておきましょう。

References

References
1 名詞の別名です。意外と登場する機会が多いのできちんと覚えておくのがオススメです。
2 言い切りの形が「~い」となります。