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中3で出てくる因数分解の基礎、共通因数でくくるコツって?因数と約数の違いや見つけ方を説明!

中学3年生になると習う妙な単元が因数分解。

今までの単元での計算をするということの逆のことをするという、不思議な単元です。

今回の記事では、因数分解の基礎、共通因数でのくくりかたについて書いてみたいと思います。

因数分解の基礎「共通因数をくくる」

因数分解の1番の基礎といえば共通因数でくくることなのですが、まずは簡単に言葉を見ていきましょう。
まずは因数という言葉をみていきます。

因数ってなに?約数とは違うの?

因数と似た言葉に約数という言葉があります。
約数をはある数を割り切ることができる整数のことです。
例えば12の約数は、1,2,3,4,6,12の6個となります。[1] … Continue reading

因数というのはある数を掛け算にあらわした時の数のことをいいます。
12を掛け算の形にしてみます。
色々な掛け算にできると思いますが、今回はなんとなく\(12=3\times 4\)としてみました。
この時の、3や4を12の因数といいます。
掛け算にしたときの1つ1つの数のことだと考えればOKです。

約数や因数が分かったところで、例題を使って因数分解の基礎共通因数でのくくり方を見ていきましょう。

因数分解の基礎、共通因数をくくってみよう

例題
次の式を因数分解しましょう。
(1)\(2ax+ay\)

因数分解の基礎共通因数でのくくり方をやってみましょう。
まずは各項の因数を見ていきましょう。
最小の項の因数は、2と\(a\)と\(x\)です。
つぎに後の項の因数は、\(a\)と\(y\)です。

この時2つの項に同じ因数がありますよね。
今回の場合は、\(a\)です。
この因数を共通因数といいます。

共通因数をくくりだすと、\(a(2x+y)\)となります。
これで出来上がりです。
今までの計算とは違うのでちょっと気持ち悪いかもしれませんが、これが答えになります。

文字が共通因数だと見た目でも見つけやすいのですが、ちょっと共通因数が見つけにくい場合をやってみましょう。

例題
次の式を因数分解しましょう。
(1)\(2x+2y\)
(2)\(6x+9y\)
(3)\(4xyz+14xy\)
(4)\(a(x-y)+(b+c)(x-y)\)

(1)\(2x+2y\)を見ていきましょう。
パッと見たときに共通因数がわかりますよね。
2ですね。
2でくくると、\(2(x+y)\)となります。

次に(2)\(6x+9y\)をみていきましょう。
ぱっと見た感じでは共通因数が見当たりません。
こんなときには共通因数が隠れていることがあるので見逃さないように気を付けましょう。
\(6x\)の項の因数は2と3と\(x\)の3つです。
2と3は6を素因数分解したときの因数です。
共通因数を探すときの基本は数があるときは素因数分解をした状態で考えると見落としがなくてなくなりますよ。
連除法(はしご算)を使った素因数分解のやり方とは

同じように後ろの項の\(9x\)の因数は、3と3と\(x\)です。
これで共通因数があることが分かりましたよね。
3ですね。

3が共通因数と分かったので、3で式をくくります。
\(3(2x+3y)\)となりました。
数字があるときは素因数分解をするのが1番の安全策ですよ。

次に(3)\(4xyz+14xy\)を見ていきましょう。
まず最初の項\(4xyz\)の因数は、2と2と\(x\)と\(y\)と\(z\)です。
後ろの項\(14xy\)の因数は、2と7と\(x\)と\(y\)です。
この中で共通する因数は、2と\(x\)なので、\(2x\)でくくります。

答えは、\(2x(2yz+7y)\)となります。

最後に(4)\(a(x-y)+(b+c)(x-y)\)を考えてみましょう。
難しい感じがしますね。
見た目が難しいですが、この時も同じように考えていきます。

最初の項\(a(x-y)\)の因数は、\(a\)と\(x-y\)です。
後の項\( (b+c)(x-y)\)の因数は、\(b+c\)と\(x-y\)です。
\(x-y\)が共通因数なので、\(x-y\)でくくります。
このままでは、くくりにくいので\(x-y\)を\(A\)で置いてからくくってみましょう。

(4)\(a(x-y)+(b+c)(x-y)\)
\(=aA+(b+c)A\)
\(=(a+b+c)A\)
\(A\)をもとに戻して、答えは、\( (a+b+c)(x-y)\)となります。
共通因数でくくるという因数分解の基本は考え方次第で簡単になる!?

共通因数の見つけ方

文字の共通因数を見つけるのは簡単ですよね。
見た目でもわかるので、文字の共通因数に気づかないということはあまりないと思います。
問題になるのは、数字の部分の共通因数を見つけられるのかが問題になります。
最も確実に共通因数をもれなく見つけることができるのは、素因数分解です。
素因数分解してしまえば、共通因数なんて簡単に見つかりますからね。
素因数分解をしてしまえば、あとは文字の時と同じです。
見た目で同じものを探せばOKです。

素因数分解で共通因数を見つけるのは容易なことなのですが、問題点が1つ。
めんどくさい…んです!
毎回毎回素因数分解するたびに全部の項の数の部分を見つけるたびに素因数分解をするのは嫌ですよね。
私は嫌です!

この時の素因数分解は共通因数を見つけるためにしたものです。
共通因数を直接見つけることができるのであれば、素因数分解をしなくてもOKです。
単に最大公約数が分かればその数でくくればOKです。
ただ慣れるまでは、素因数分解を使ってすれば間違いないと思います。
しっかり慣れてすらすら因数分解ができるようになればいい感じです。

まとめ

今回の記事では、因数分解の基礎、共通因数でのくくりかたについて書いてみました。
共通因数で式をくくることで因数分解をするのは因数分解の1番の基礎になります。
まずは共通因数でしっかりくくれるようにしましょう。

文字の共通因数は見た目でも分かるので、数字の部分の共通因数を見つけることがうまくできるようになれるかが難しいところですね。
なかなかうまくいかないときは、1つ1つ素因数分解をしていけば共通因数は必ず見つかりますよ。

References

References
1 一応ある数が割り切れる数が約数ということから考えると負の数も入るのですが、中学校で約数を扱う単元は特にない(と思います)ので、正の整数(自然数)のみを約数と扱っても大丈夫だと思います。