小学1年生で足し算と引き算を習い小学2年生では掛け算を習います。
小学3年生では割り算を習いここで四則計算がそろう訳ですが、四則計算の中でも最難関なのはこの割り算。
中途半端に解けるようになるのはそんなに難しくないのですがきちんと理解するのはとても大変です。
中学生でもきちんと理解して解けているという子はどれくらいいるのでしょうか。
逆に考えると割り算の概念をきちんと理解することができれば算数・数学はかなり有利になることは間違いありません。
割り算の理解があいまい、浅いためにたくさんの暗記事項が増えることもあります。
しっかり割り算を理解して扱えるようになりましょう!
割り算が分からない!?
足し算、引き算、掛け算と比べると圧倒的に計算のイメージがしずらいのが割り算です。
足し算っていうと合わせることかなー?引き算って引くことかなー?掛け算って〇がいくつあるみたいな感じかなー?じゃあ割り算は…?
実際に子供たちに足し算ってなにするの?引き算って…と聞いていくと、掛け算までは頑張って答えられるのですが、割り算ってなると分けること?って感じの答えが返ってくることが多いです。
半分正解だけど困ったことにもう半分が分からないために割り算を使うべきか使わざるべきか判断できない子がたくさんいます。
半分あっているけれど理解までのあと一歩が遠いので結局割り算が分からないで終わってしまいます。
そうなると後々算数で苦戦したり、数学ができなくなる爆弾を抱えたような形になってしまいます。
本当に分かっているのか見分けるのもまた難しい。
小学生が割り算を使うか判断するときって、文章中の「分ける」という言葉に反応することがほとんど。
確かに小学校で扱う文章問題の場合は「分ける」という言葉が入っている気がします。
またテストにしても単元で何算を使うのかばれていたりするので、本当に分かっているのやら…
算数が得意になるだけでなく将来的に数学でも役に立つ割り算を考えてみましょう。
割り算っていえば等分除?
割り算イメージしやすいのは等分除ではないでしょうか。
名前の通り等分に分けて1つ分がいくつになるのかという時に使う割り算のことです。
例えば下の問題は等分除になります
<例題>
イチゴが10個あります。2人で分けます。1人分は何個になりますか。
10個のイチゴを2つに分ければいいので、
\(10\div 2=5\)となり、
1人分は5個ということになります。
この問題では2等分にしたときいくつになるのかを求めたということです。
10個のイチゴを5等分にしたときにいくつになるかを求める場合は\(10\div 5=2\)となり2つということになります。
これはイメージしやすいですね。
実は割り算にはもう1つ意味があるんですね。
割り算が曲者なのは意味が2つあるからでもあります。
そのもう1つが包含除です!
割り算で難しいのは包含除!
包含除をあーだこーだ説明しても難しいので例題をもとに説明しますね。
<例題>
イチゴが10個あります。
2個ずつお皿に置いていきます。
お皿は何枚必要になりますか。
とりあえず解いてみましょう。
\(10\div 2=5\) 答え5枚
となります。
等分除の考え方で考えると\(10\div 2\)というのは「10を2つに分ける」という意味になります。
でも、この問題ではその考え方だと合いません。
この時の\(10\div 2\)の意味するのは「10の中に2の塊が5つある」ということを意味しています。
この割り算の考え方を包含除といいます。
割り算は、この「包含除」と「等分除」の2つをマスターしないといけないので難しいです。
足し算や引き算や掛け算には複数の意味がないのでやりやすかったということでもあります。
この考え方が分かると学校で公式として習ったことが当たり前のものとして解けてしまう問題が増えます。
お子さんが理解するのは大変ではありますが、小学生のうちに分かればいいとおおらかに構えてゆっくり3年くらいかけて理解できればばっちりではないでしょうか。
まとめ
今回は割り算の2つの意味、「等分除」と「包含除」を扱いました。
同じ式でもどちらの解釈をするかで意味が違うということでもあります。
\(10\div 2=5\)という式があったときに、
「等分除」として解釈すると10を2等分すると1つの塊が5になるという意味に対して、
「包含除」として解釈すると10の中に2の塊が5つありますという意味になります。
どちらか片一方だけ理解しても割り算は使えないので、必ずどちらも理解するようにしておきましょう。
「等分除」「包含除」を理解しないと文章題を解くのが難しくなっちゃいます。
「分ける」という言葉があるからという理由で割り算を使うと判断していると、「イチゴがいくつかあります。5人で分けると1人分が2個になりました。イチゴははじめ何個ありましたか。」というような問題が出たときに騙されてしまいます。
ちなみにこの問題を解くと、\(2\times 5=10\)となり、初めにあったイチゴの数は10個となります。
割り算がきちんと扱えると算数や数学が得意になりやすいです。
時間をかけてゆっくりでも理解できるといいですね!