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冬の空気が乾燥するのはなぜ?原因はなに?

冬になると乾燥が気になりますよね。

手がかさかさしたり、喉が痛くなったり・・・

静電気がパチパチなっちゃう!という方もいますよね。

車に乗るとき、ドアノブに触れたとき、場合によっては人と触れることでパチッという音ともに痛みが走ることもあります。

これらの大きな原因は空気の乾燥のせいで起こるのですが、どうして冬は乾燥するのでしょうか?

冬の空気の乾燥はなぜ起こるの?

冬っていうと乾燥!というくらい、冬と乾燥という言葉が結びつく方もいるのではないでしょうか?
乾燥、乾燥とは言いますが乾燥ってなんなんでしょう?
目で見ても違いなんて分からないし・・・
天気予報などでは「空気が乾燥している」という言葉をよく聞きますよね。

まず、空気中の水分量、湿度についてみていきます。

乾燥しているかは湿度でわかる!

湿度とはどのように出したらいいのでしょうか。

湿度の出し方

相対湿度は中学校で習う湿度なので聞いたことがあるという方がいるのではないでしょうか?
一般的に湿度というときはこの相対湿度のことを指します。

計算式は、

MEMO

$$相対湿度 \verb|[| \% \verb|]| = \frac{空気1m^3中に含まれる水蒸気量 \verb|[| g/m^3 \verb|]| }{その気温での飽和水蒸気量 \verb|[| g/m^3 \verb|]| }\times 100$$ [1] … Continue reading

となります。

例をあげて、湿度の出し方を考えてみましょう。
飽和水蒸気量が\(10g/m^3\)の空気\(A\)と\(20g/m^3\)の空気\(B\)がそれぞれ\(1m^3\)あるとします。
そのどちらにも\(10g\)の水蒸気が入っているとします。

\(相対湿度 \verb|[| \% \verb|]| = \frac{空気1m^3中に含まれる水蒸気量 \verb|[| g/m^3 \verb|]| }{その気温での飽和水蒸気量 \verb|[| g/m^3 \verb|]| }\times 100\)なので、数字を入れて計算してみましょう。

すると、空気\(A\)の湿度は : \(\frac{10}{20}×100=50%\)
空気\(B\)の湿度は : \(\frac{20}{20}×100=100%\)となりました。

空気が含むことができる水蒸気量には限界があります。
その水蒸気を含むことができる量のうちどれだけの水蒸気を空気が含んでいるのかという指標になります。
その限界をまで水蒸気を含むとそれ以上に、その空気は水蒸気を含むことができなくなります。

空気\(A\)の湿度\(50%\)からは飽和水蒸気量の\(50%\)分の水蒸気を含んでいることがわかるのでまだ水蒸気を含むことができます。
それに対して空気\(B\)の湿度\(100 \%\)からは飽和水蒸気の\(100 \%\)分の水蒸気を含んでいる、つまりもう限界まで空気が水蒸気を含んでいることがわかります。
このことから、この空気はこれ以上水蒸気を含むことができないと判断できます。

つまり、空気\(A\)の方が乾燥した空気だといえます。

冬の空気の乾燥の原因って何?

乾燥しているということは飽和水蒸気量と比較して水蒸気の量が少ないということでした。
それでは冬の乾燥の原因ってなんでしょう?

季節風の影響?

日本では季節風という風が吹きます。
夏は南東からの風、冬は北西からの風が吹きます。

つまり夏は太平洋からたっぷりと水蒸気を含んだ風が吹き、冬は大陸から乾燥した風が吹きます。
一見この風が理由となりそうなのですが、実は北陸地方などの日本海沿岸地域では冬は乾燥知らずなんです。

日本中が乾燥していると思いきやそうでない地域もあるのです。
でも、データを見ると太平洋側では乾燥しているんですね。

不思議ですね。
これは、北西の季節風が太平洋側まで行くときに日本アルプスなどの高い山脈などを超える途中で雨として水蒸気を失ってしまい、結果的に水蒸気が少なくなってしまった風(空気)が太平洋側に吹き込むためなんです。
この理由では日本中が乾燥している感じにはなりそうにないですね。

人の生活が影響してる?

冬は寒いので暖かく過ごしたい。
ぽかぽかしていると幸せな気持ちになれますよね。
やはり暖房を使う人がほとんどではないでしょうか。

また、外食をしてもお買い物に行ってもたいていの施設では暖房が効いていますよね。
寒ーい外から入ったときは天国かと思えてしまいます!
しかし、この暖房こそが乾燥の大きな要因なのです。

相対湿度は空気中の水蒸気量と飽和水蒸気量に影響されます。
空気中の水蒸気量が増えると湿度は上がり、減ると下がります。
また同じ水蒸気でも、飽和水蒸気量が増えると湿度は下がり、減ると上がります。
エアコンを使うと気温が上がりますね。
エアコンは水蒸気を供給しないので、温度が上昇し水蒸気はそのままってことです。

例えば\(10℃\)から\(20℃\)に気温があがったとすると、飽和水蒸気量が\(9g \verb|/| m^3\)から\(17g \verb|/| m^3\)になります。
水蒸気量は\(5g \verb|/| m^3\)とします。

それぞれ計算してみましょう。

\(10℃\)のとき : \(5\div 9\fallingdotseq 56 \%\)
\(20℃\)のとき : \(5\div 17\fallingdotseq29 \%\)

エアコンで空気をあたためると、湿度が\(56 \%\)→\(29 \%\)と下がってしまいました。
なかなかな乾燥具合ですよね!

乾燥は季節風などの要因というよりも暖房器具の影響のほうが大きいのかもしれません。

まとめ

今回はなぜ冬は乾燥するのかでした。

日本海側でも暖房を入れなければそんなに乾燥しないのではないでしょうか。

暖かくすると乾燥してしまうのは考えものですね。

太平洋側では季節風の影響でも乾燥してしまうので上手に乾燥対策をする必要がありそうです。
加湿器を選ぶポイントは?

References

References
1 飽和水蒸気量というのは空気\(1m^3\)に含むことができる水蒸気の量の限度のことを言います。温度が高くなると空気\(1m^3\)中に含むことができる水蒸気の量の限度は増えます。