パーキンソン病とは原因不明に発症し、手足の震えや筋肉が硬直、その結果歩行が困難になったりと日常生活に多大な支障をもたらす病気です。
発症原因は不明で、初めはコップが掴めないなどの症状から始まり、歩行が困難になってしまうケースもあります。
普段の生活のなかで何気なくできていたことや当たり前にできたいたことが、できなくなっていくというのは大きなストレスになることは想像に難くありませんよね。
パーキンソン病を患っている方の中には闘病中にうつ病を発症してしまったというケースも少なくありません。
今回はパーキンソン病によるうつ病を自力で緩和する方法について書いてみたいと思います。
パーキンソン病とストレス
パーキンソン病の原因は脳内のドパミン欠乏です。
そのため、脳神経の病気で分類されます。
体の動きが制限されるといっても骨の異常や筋肉の異常はありません。
パーキンソン病を精神疾患、精神の問題であると考えている方が多いのですが、パーキンソン病は発症原因が不明です。
発症原因が不明な上に治療も困難であることから難病に指定されています。
気の持ちようで手足の麻痺が治るわけではありません。
ここには注意してください。
脳の神経物質の問題なので、きちんとした専門医のもとに、きちんと薬を飲むこと、リハビリを受けること、それが最も確実で安全な治療法です。
とはいえ、パーキンソン病を発症した患者が、うつ病や睡眠障害など、他の精神的な病気を発症するケースは多く見られます。
また、パーキンソン病が加齢に伴い発症率が上がることから、認知症の発症も多くなります。
一見関係がなさそうな、便秘や頻尿など自律神経障害も起こりやすくなります。
この原因は、ドパミンが減少したことによるところもありますが、日常生活が簡単に送れなくなることへのストレスも大きく関係しています。
特に、ストレス社会と言われる現代日本で毎日健康に気を使いながら必死に働いてきた人たちにとって、突然体が思うように動かなくなることは、受け入れられがたい事態です。
とても明るくて社交的な人がパーキンソン病を発症してしまってから、家に閉じこもり口数も少なくなってしまうというのは、実はよく起こりうることなのです。
パーキンソン病でも簡単にできるうつ病の緩和方法
それでは、パーキンソン病の方がうつ病も併発している、もしくは今後併発してしまいそうであるといった場合はどのような対応をしたら良いのでしょうか。
まず、うつ病を発症した場合は専門医の判断をうけ、投薬治療をすべきか伺って下さい。
薬の相性もあるので、必ずパーキンソン病のことや服薬している薬があれば伝えてください。
まず気に留めておいていただきたいのは、パーキンソン病の方の体を無理に動かすことを強要するのはいけないということです。
とはいえ、1日家にいて外の世界と全く関わらないことは精神的に悪影響を及ぼすことがあります
家に引きこもってしまうと、ますます他の精神的な病気を引き起こす可能性が高くなってしまいます。
そこで、外に散歩にでてみてください。
外の空気を感じ、日の光を浴びることが、この散歩のポイントです。
実は「冬季うつ型」といわれ、日照時間とうつ病には密接な関係性があるという調査結果がでています。
「朝起きて太陽の光を浴びる」、たったそれだけのことですが非常に重要なことです。
下半身が麻痺してしまうと外にでるのも億劫になりがちです。
また人目が気になるという方もおられます。
そんな時は、まだ人の少ない早朝の時間に散歩するのが良いかもしれません。
意外に思われるかもしれませんがご家族の方が家に帰宅してから夜のお散歩でも効果があります。
なぜかというと、夜は日の光はありませんが、月の優しい光があるからです。
少なくとも、人工的な家の白熱灯などの明かりを浴びるよりずっと精神的に良い影響を与えます。
うつ病の治療方法は、基本的に薬物治療です。
また、うつ病は気持ちで何とか出来ると考える方がいますが、うつ病は脳の病気です。
そのため、気の持ちようや気分転換程度で治るようなものではありません。
しかし、人間、限度を超えて無茶をすれば疲労骨折したり胃腸炎になったりして体を壊すように、無理をし続けてしまえば脳に異常をきたしてうつ病にだってなります。
その治療法は、とにかくしっかり休むこと。
そして、身体と心を休ませつつ、良い生活習慣を心がけることが大切です。
もちろん、きちんと病院に通って、薬を飲み続け、リハビリも受けることも大切です。
明確な治療法がないことや必ずしも治る保障がないことを理由に、それすらも拒む方が多くいます。
薬も飲まずリハビリも受けずにいるとますます病気が悪化してしまうことがあります。
きちんと治療を受け続けてください。
朝起きて、ご飯を食べて、外にでて、夜はぐっすり眠る。
「休む」というのは一日中だらだら、ぐーたら過ごすことを意味するわけではありません。
うつ病を発症するとベッドから起き上がることでさえ困難なほど無気力になってしまいます。
体が少しでも動きそうなとき、元気が少しでもでそうなときは、おいしいものを食べて、外の光を浴びてください。
家族が出来ること
ご家族の方がサポートする場合は、朝はカーテンをあけ、朝食・昼食・夕食を用意してあげてください。
そして、可能な時は一緒に食事を召し上がってください。
夜は電気を消して「おやすみ」と伝えてあげてください。
できれば毎日、週に3~4日程度でもかまいません。
1時間でいいので患者様と一緒に散歩にでてください。
パーキンソン病のリハビリが目的ではないので、車椅子で問題ありません。
外の空気を存分に吸い込んで、太陽や月の光を沢山浴びてください。
私たち現代人は忙しさのあまり忘れがちですが、眠ること、食べること、外にでること、人と話すこと、これらはとても大切なことなのです。
まとめ
パーキンソン病になったからといって、何もかも諦める必要はありません。
働くことが困難になったところで、世の中から必要とされていないなんてことはありません。
本人やそのご家族も、突然体が動かなくなり、しかも原因不明、治る見込みもないといわれると落ち込んでパニックになってしまいます。
突然杖をついたり車椅子になると、ご近所に詮索されたくない、ご近所の目が恥ずかしいと、外に出したくないという方もいるでしょう。
ですが、車椅子生活になったことの何を恥らう必要がありますか。
体が麻痺したからと言って、できることは沢山あります。
サポートするご家族の方もご本人様も、まず国や自治体からもらえる補助を受けてください。
治療にはお金がかかりますし、患者様本人が働いていた場合、真っ先に心配になるのはお金のこと。
さらに、訪問看護やリハリビステーションなど第三者の手を借りることもご家族の負担を減らすのに有効な手段です。
家族間で無理に解決しようとせずに、ぜひ周囲の援助を受けてくださいね。
パーキンソン病を発症したばかりの頃は本人もその家族も、混乱し深い悲しみにとらわれると思います。
混乱やパニックが落ち着いたら、できることから一つずつ解決していきましょう。
うつ病の予防と回復には、睡眠・食事・日照時間が非常に関係しています。
パーキンソン病を患っていても、これらは十分に対策可能なものです。
落ち込んでいるときは無理せず休む、少しでも元気になったら、まずは生活習慣を正してくださいね。
パーキンソン病の治療には役立ちませんが、うつ病の回復には非常に効果的です。
【おすすめ記事はこちら!】
・若年性パーキンソン病と診断されて不安でいっぱいだけど・・・