平方根を表すのに√はとても便利な記号です。
ある数の平方根は常に±√ある数と書けばいいからですね。
ただ、±√ある数はあくまで1つの数なんですよね。
√8は2√2なのですが、ルートの中身を小さくしないと、見ただけでは分かりません。
ルートの中の数はなるべく小さな数にすることで、1つの項にまとめることができることもでてきます。
今回の記事ではルートの中身の数を小さくするコツについて書いてみたいと思います。
ルートの中身が大きい数の時に小さくする計算ってどうするの?
\(\sqrt{2}\)や\(\sqrt{3}\)のような数であれば、そのままで問題ないのですが、\(\sqrt{12}\)や\(\sqrt{18}\)のような数はルートの中身をなるべく小さな数にした方が計算しやすい場合が多くなります。
また、ルートの中身を小さくしないと計算できるのかできないのかの判断が難しくなります。
ルートの中身をなるべく小さくする方法やコツについて見ていきましょう。
それでは例題を使って考えてみましょう。
(1)\(\sqrt{12}\)
(2)\(\sqrt{18}\)
(3)\(\sqrt{27}\)
(4)\(\sqrt{96}\)
(1)から考えてみましょう。
ルートの中身をなるべく小さな数にするときに最も確実な方法は素因数分解をする方法です。
素因数分解をしてしまえば、ルートの中身が小さくなるときであれば、必ずルートの中身を小さくすることができます。
(1)の12を素因数分解すると、\(2^2\times 3\)となります。
2乗の塊ができると根号の前にその数を出すことができるので、(1)の答えは\(2\sqrt{3}\)となります。
素因数分解をすることが基本ですよ。
・素因数分解の意味や書き方がわからない!簡単なやり方を解説!
(2)も同じように素因数分解をしてみましょう。
18を素因数分解すると\(3^2\times 2\)となるので、(2)の答えは\(3\sqrt{2}\)となります。
素因数分解さえできればすんなりルートの中身を小さくすることができます。
(3)も同様に素因数分解をしてみます。
27を素因数分解すると\(3^3\)となります。
\(3^2\)の塊が1つだけあるので、3は1つ前に出ると言うことになります。
(3)の答えは、\(3\sqrt{3}\)となります。
2乗の塊をきちんと作ることができると、解きやすくなります。
(4)を素因数分解します。
96を素因数分解すると\(2^5\times 3\)となり、\(2^2\)の塊が2つありますね。[1]\(2^5\times 3\)の式を少し変形してみると、\(2^2\times 2^2\times 2\times 3\)となり\(2^2\)の塊を2つ作ることができます。
つまり、2が2つルートの前に出るので、(4)の答えは\(4\sqrt{6}\)となります。
素因数分解がきちんとできれば、そんなにややこしい問題ではなかったのではないでしょうか。
ただ、ルートの項が登場するたびにいつもいつも素因数分解をして考えるのは大変です。
いつも素因数分解を利用して計算するのは心が折れてしまいそうになります。
ちょっとうまい方法で、もう少し楽に計算してみましょう。
細かく素因数分解せずに解くには?
毎度毎度逆さ割り算を書いて計算して・・・とするともう計算なんてしたくない!となってしまいます。
そこでちょっとした楽な方法をご紹介します。
考え方としては「2乗の塊を作ることができると、ルートの前に出せる」ということを利用します。
つまり、素因数分解ではなくそもそも2乗した数で割っていけば、楽に計算できます。
2乗した数で割るというのは、例えば2の2乗の数である4や3の2乗の数である9で割るということを意味します。
言葉でいってもわかりにくいので先ほどの例題を使ってやってみますね。
\(\sqrt{12}\)は\(4\times 3\)なので、\(2\sqrt{3}\)となります。[2]4は2の2乗なので、\(4\times 3\)となるということは、\(2^2\times … Continue reading
同様にして、(2)\(\sqrt{18}\)を考えると18は\(9\times 2\)となるので、\(3\sqrt{2}\)となります。
(3)\(\sqrt{27}\)は\(9\times 3\)なので\(3\sqrt{3}\)、(4)\(\sqrt{96}\)は、\(16\times 6\)となるので\(4\sqrt{6}\)となります。
このようにすでに2乗したしてしまっている数[3]4や9や16など整数の2乗の数との積を考えると分かりやすいと思いますとの、積を考えていくとスムーズにルートの中身を大きな数からより小さな数に変えることができますよ。
まとめ
今回の記事ではルートの中身の数を小さくするコツについて書いてみました。
ルートの中身をなるべく小さな整数にする機会は、中学校でも高校でも何度も何度もでてきます。
いつも逆さ割り算や連除法、簾算をして素因数分解をすると、手間がかかってしまいます。
そんなときは、すでに整数の2乗である数、4や9のような数との積を作ることで楽にルートの中の数を小さな数にすることができます。
慣れるまでは素因数分解をきちんと書いて解いていき、慣れてきたら2乗してある数をうまく使えるようにしていくといいと思います。
初めのうちは素因数分解にしろ、因数分解にしろ難しいものになりますが、慣れていけば時間を掛けずにシュッとできるようになりますよ。