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分配法則を使った計算を工夫する問題を小2の概念で解く!

小学生の計算問題で結構見かけるのが「工夫して計算しなさい」という問題。

なぜか中学生ではあまりみかけないのに小学生にはなぜか出題されますよね。

困るのが工夫して計算しなさいと問題になっているのに、頑張って計算すれば何とかなってしまうというところ。

特に学校で配布されるドリルや問題集では数字が易しいためとにかく計算すれば答えがでてしまいます。

工夫してもそのまま計算しても苦労がそんなに変わらないので、工夫する必要性を伝えるのはなかなか難しいです。

この工夫して計算するというのは一見無駄に見えるのですが、工夫して計算さえできない子が算数ができる子、数学ができる子になることは皆無に見えます。

せっかくなのでただ単に計算をするというだけでなく考えるという力を養いたいものですね。

今回の記事では中でも分配法則を使った計算の工夫をもっと簡単にできる見方をご紹介したいと思います。

分配法則を使って計算を工夫して解く!

それでは早速例題を見ていきましょう。

<例題>次の計算を工夫してしましょう。
①\(3.14\times 7+3.14\times 3\)

分配法則を使うと、3.14を共通因数とみて、
\(3.14(7+3)\)
\(=3.14\times 10\)
\(=31.4\)
となります。

共通因数でくくる感じでするとなんてことはなくできるのですがちょっとめんどくさいですね。
ここでちょっと見方を変えてみましょう。

小2の掛け算の意味から考える!

分配法則を利用した計算の工夫は掛け算の意味から考えると共通因数でくくるという考え方から解放され、とても計算がしやすくなります。

計算の工夫をする前にまずは掛け算の意味そのものについて考えてみます。

$$3\times 4$$

この掛け算の式が意味するのはどんな意味でしょうか?
小学2年生の時にならった考え方と変わらず、3が4つあるとも見ることができますし、4が3つあると見ることもできます。
この考え方を使っていきますね。

\(3.14\times 7+3.14\times 3\)を眺めてみると項が2つあります。
\(3.14\times 7\)と\(3.14\times 3\)ですね。
\(3.14\times 7\)の意味を先ほどの掛け算の意味と同じように考えると、「3.14が7個」もしくは「7が3.14個」とみることができます。
同じように\(3.14\times 3\)は、「3.14が3個」もしくは「3が3.14個」とみることができます

\(3.14\times 7\)を「3.14が7個」と考えてみます。
同じように\(3.14\times 3\)も、「3.14が3個」と考えてみます。

すると、\(3.14\times 7+3.14\times 3\)の式の意味を考えてみると3.14が7個と3.14が3個あり、それらを合わせるといくらでしょう、という意味になります。

3.14が3個と3.14が3個を合わせるということなので全部で3.14はいくつになるでしょうか。
7個と3個を合わせるので全部で3.14が10個になります。
つまり3.14が10個あるので\(3.14\times 10\)ということになります。
答えは31.4になりました。

もう1問例題をしてみましょう!

<例題>
②\(3.14\times 12+3.14\times 13-3.14\times 5\)

先ほどの問題と同じように1つ1つの項について解釈してみましょう。

\(3.14\times 12\)…3.14が12個
\(3.14\times 13\)…3.14が13個
\(3.14\times 5\)…3.14が5個

こんな意味になりますね。
\(3.14\times 12+3.14\times 13-3.14\times 5\)を言葉で考えて解いてみると、「3.14が12個と3.14が13個あり、それらを合わせると3.14が15個ということになります。
そこから3.14を5個引くので、\(3.14\times 20=62.8\)となります。

掛け算の意味から考えると数学チックに頑張らなくても意外とすんなり答えを出すことができます。
うまくできない場合は掛け算の理解が浅いこともありますのでまずは掛け算の意味をしっかり納得させてあげましょう。

こうして掛け算の意味から考えると直感的に答えまで行きつけませんか?
中学受験のややこしい計算を工夫して解く問題でもばっちり使えます。
分配法則的に考えるとどうしても数学的な考え方になるので分かった感じを実感しづらいと思いますが、この方法だと式の意味を考えながら解いていけるのでおすすめです。

まとめ

今回は計算の工夫の問題を扱ってみました。

計算の工夫はなかなか奥が深いものです。

中学受験でもよく出題されます。

分配法則などを使ってしまうと算数というよりも数学チックになってしまうので直感的に理解しづらい気がします。

やはり小学生が解くには直感的にみて分かるほうがいいのでこのやり方はおすすめです。

\(a\times b\)とあったときに、頭の中で「\(a\)が\(b\)個」もしくは「\(b\)が\(a\)個」という意味に解釈できればOKです。

あとは間の符号[1]プラスやマイナスのことですに気を付けて計算してあげれば出来上がりです。

References

References
1 プラスやマイナスのことです