平方根の計算をする上で避けては通れないのが、分母の有理化です。
中学校の数学では、分母に√ があるとダメ!というルールがあるので、分母の有理化はできないと困ってしまいます。
今回の記事では分母の有利理化について書いてみたいと思います。
分母の有理化をできるようにしよう
分母の有理化をしてみましょう。
それでは例題を使ってやってみましょう。
有理化するには、分母と分子に同じ数を掛けます。
この場合は、分母と分子に\(\sqrt{2}\)を掛けてみましょう。$$\frac{1\times \sqrt{2}}{\sqrt{2}\times \sqrt{2}}$$あとはこれを計算すると、\(\frac{\sqrt{2}}{2}\)となります。
なぜこんなことをしていいの?
なぜ、$$\frac{1\times \sqrt{2}}{\sqrt{2}\times \sqrt{2}}$$というような式にしてしまってもいいのでしょうか。
このままだと分かりにくいので、この間に1つ式を挟んでみましょう。$$\frac{1}{\sqrt{2}}=\frac{1}{\sqrt{2}}\times \frac{\sqrt{2}}{\sqrt{2}}=\frac{1\times \sqrt{2}}{\sqrt{2}\times \sqrt{2}}$$この式は\(\frac{1}{\sqrt{2}}\)に\(\frac{\sqrt{2}}{\sqrt{2}}\)を掛けたものです。
\(\frac{\sqrt{2}}{\sqrt{2}}\)は、約分をしてみると1なので、どんな数に1を掛けても数は変わりませんよね。
\(\frac{1}{\sqrt{2}}\)に1を掛けただけなので、\(\frac{1}{\sqrt{2}}\)と\(\frac{\sqrt{2}}{2}\)は等しということになります。
イメージとしては通分と同じような感じと思ってもらえると理解しやすいのではないでしょうか。
\(\frac{1}{2}\)と\(\frac{1}{3}\)を通分するときは、\(\frac{1}{2}\)には\(\frac{3}{3}\)を、\(\frac{1}{3}\)には\(\frac{2}{2}\)を掛けますよね。
\(\frac{1}{2}\)は\(\frac{3}{6}\)に、\(\frac{1}{3}\)は\(\frac{2}{6}\)となり、分母を揃えることができました。
通分とは目的が違いますが、分母の有理化も通分も同じ理屈で1を掛けても元の数は変わりませんよーという性質を使っています。
分母にルートが2つあるときの有理化の仕方
分母にルートが2つ、無理数の項が2つあるときの有理化をみてみましょう。
分母にルートのついた数が2つになりました。
先ほどと同じように分母と同じ数を掛けるのでは、うまくいきそうにありません。
分母の数\(\sqrt{2}+\sqrt{3}\)を掛け、さらに分母と同じ数を掛けていくとエンドレスの戦いに突入してしまいます。
ここではちょっと工夫をしてみましょう。$$(x+y)(x-y)=x^2-y^2$$をうまく使ってみましょう。
ちょっとこの式を変形してみると、\( (\sqrt{x}+\sqrt{y})(\sqrt{x}-\sqrt{y})=x+y\)[1]\(x\)と\(y\)は正の数と考えてくださいね。となるので、無理数の項が2つあっても何とかなりそうです。
例題の分母が\(\sqrt{2}+\sqrt{3}\)となっているので、分母と分子に\(\sqrt{2}-\sqrt{3}\)を掛けてみましょう。$$\frac{1\times (\sqrt{2}-\sqrt{3})}{(\sqrt{2}+\sqrt{3})(\sqrt{2}-\sqrt{3})}=\frac{\sqrt{2}-\sqrt{3}}{-1}=\sqrt{3}-\sqrt{2}$$となります。
この場合だと分母が負の数になることを見越して、分母と分子に\(\sqrt{3}-\sqrt{2}\)を掛けると、分母が1になるので計算しやすくなりますね。
はじめのうちは細かいことを気にせず、一方の符号が違うものを分母と分子に掛けるようにすればいいのではないでしょうか。
練習問題
有理化をしましょう。
1、\(\frac{1}{\sqrt{7}}\)
2、\(\frac{3}{\sqrt{3}}\)
3、\(\frac{4}{\sqrt{6}}\)
4、\(\frac{5}{\sqrt{3}+\sqrt{7}}\)
5、\(\frac{3}{\sqrt{2}+\sqrt{5}}\)
解答
1、\(\frac{\sqrt{7}}{7}\)
2、\(\sqrt{3}\)
3、\(\frac{2\sqrt{6}}{3}\)
4、\(\frac{5\sqrt{7}-5\sqrt{3}}{4}\)
5、\(\sqrt{5}-\sqrt{2}\)
まとめ
今回の記事では分母の有理化について書いてみました。
ルートを含む計算をする際の基本になるのでしっかり身に付けておきたい知識ですね。
分母の項が1つの時はもちろんできないといけませんが、分母に項が2項あるときもできるようにしておきましょう。
References
↑1 | \(x\)と\(y\)は正の数と考えてくださいね。 |
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